「3秒ルール」は正しかった! 超清潔志向が招く間違い

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(藤田鉱一郎/光文社)

本格的な真冬の到来。私たち日本人はこの季節、「ある習慣」を共有する。

 

それが、「うがい」「手洗い」「マスクの着用」だ。毎年流行するインフルエンザは、家族みんなで予防接種を受けて防ぎ、部屋は加湿、ドラッグストアには抗菌・滅菌対策グッズなどがずらりと並び、万全の体制だ。

 

清潔大国、日本。電車のつり革は触らない、トイレの便座は必ず消毒してから座る…しかし、それでも、感染症を防ぎきれない。世界でもトップクラスの「きれいずき」な国で、一体何が起こっているのか。

 

『手を洗いすぎてはいけない 超清潔志向が人類を滅ぼす』(藤田鉱一郎/光文社)は、医師であり、感染免疫学の専門家である著者が、日本の行きすぎた清潔思想に警鐘を鳴らしている。大切なことは、身の回りから感染源をなくすことではなく、ちょっとした“チョイワル菌”と戦って負けない力…免疫力を身につけることであるという。

 

 

■10秒と、3秒の法則

 

著者は日本人の手の洗いすぎについてこう指摘する。

 

 

洗いすぎると、人の皮膚はどんどんと「キタナイ」状態になり、病原性の弱い菌やウイルスにも感染してしまうほど、ヤワな体になっていくのです。(中略)

 

私が推奨する「免疫力を強化するための手洗い」を紹介しましょう。

 

(1) 両手を軽くこすりながら、流水で一〇秒間流す

 

以上です。驚きましたか。

 

手洗いとはこれで十分なのです。

「床に落としたものでも、三秒以内だったら大丈夫」…3秒ルールといわれる都市伝説のようなルールは誰しも聞いたことがあるだろう。これは海外でも共通の認識があり、科学者によって研究もなされているという。イギリスの大学の研究室によれば、実際に重要なのは、床に落ちてからの時間より落ちた場所。生肉を扱う台所や浴室については、3秒ルールの範囲外だというが、適度に土壌菌や“チョイ悪菌”を体内に入れることは、免疫力アップにつながるという。

 

 

■セックスは、キタナイという意識

 

少子高齢化か叫ばれて久しい。政府は、子供を産んでも安心して働ける環境づくりをと、 声高に叫んでいるが、これは単に女性側の問題だけではない。著者はこの少子化にも日本の「超清潔志向」が深く関与していると考える。

 

 

「汚いからセックスはしたくない」

 

「オシッコの出る場所をくっつけあうのは汚い」

 

「実写AVより、アニメの方が美しくて好き」

著者が大学の男子学生と話していた時に出た言葉だ。「超清潔志向」の家庭で育つと、生身の人間との触れ合いに興味をもたないばかりか嫌悪する人間に育ってしまうという事実に、著者はこの国の未来を憂い、危惧を感じている。

 

あなたの身の回りをもう一度よく観察してみてほしい。抗菌、滅菌グッズであふれていないだろうか。清潔神話を疑うことから、これからの本当の健康的な生活づくりが始まる。

 

文=銀 璃子

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