「背の高い子に育てる方法」はあるのか?

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今村甲彦

「背の高い子に育てる方法」はあるのか?

子どもの身長が高くなってほしいというのは多くの親が願うもの。どのようにしたら背の高い子が育つかについて医学的知見を踏まえて解説します。

 

 

■ヒトが大きくなる要因とは

 

ヒトが大きくなる要因としては、内部要因と外部要因があります。内部要因としては遺伝因子や各種ホルモンの影響、外部要因としては運動、栄養、睡眠、経済状況、愛情、気候、病気、薬物などが考えられます。

 

 

■背の高い子を育てる内部要因

 

内部要因としては遺伝因子と各種ホルモンの影響があります。子どもの身長は両親の身長の平均値と高い相関を示すとされているのですが、残念ながらこの遺伝因子は変えることはできません。

 

各種ホルモンもヒトの成長に影響を与えますが、なかでも身長が伸びるのに重要なのは「成長ホルモン」です。

 

病気により成長ホルモンの効果が現れていない場合、成長ホルモンを投与するという方法もあります。ただし、きちんと診断を受け、適切な時期に使用しないと効果はありません。厚生労働省より承認されていない病気に使用したり、決められた使用法とは異なる不適切な使用をしたりすると、効果がないだけでなく、有害なことが起こるケースもある()ので、投与の際には内分泌代謝科など専門医の診断が必要です。

 

 

■背の高い子を育てる外部要因

 

内部要因は子どもの成長に大きな影響を与えますが、外部要因も無視できません。内部要因と異なり、外部要因は変えることがある程度可能です。背の高い子を育てるのに有効な外部要因ですが、いったいどのようなものがあるでしょうか?

 

 

■「母親の愛情」は身長に関係がある?

 

意外と知られていないのですが、子どもの成長には親、特に母親の愛情が重要です。母親からの愛情が注がれず、それが長期間にわたると、子どもは精神的、情緒的な障害を引き起こすばかりでなく、著しい成長障害を示す「愛情遮断症候群」になることがあります。愛情遮断症候群になれば、子どもの成長に影響を及ぼす可能性があるのです。

 

 

■「運動」「栄養」と身長の関係

 

適度な運動は成長ホルモンの分泌を促します。ただし、「バスケットやバレーボールをすると特に背が伸びる」という医学的な根拠は存在しません。好きな運動を長く続けるとよいでしょう。

 

栄養状態も成長に関係します。日本では肉食の普及とともに身長が伸び、100年間で10cmも身長が伸びたとされています。タンパク質を中心としてバランスよく食べましょう。牛乳はカルシウムを多く含んでおり骨を強くする作用がありますが、身長を伸ばすという作用が強いわけではありません。

 

 

■「睡眠」「気候」「経済状況」と身長の関係

 

成長ホルモンは睡眠時に多く分泌されるため、成長にとって十分な睡眠は重要です。

 

気候も身長に関係するとされています。身長が2倍になると面積は2乗の4倍、体積は3乗の8倍になります。体が大きくなった方が体積に対しての表面積の割合が減少し、相対的な熱の放散が抑えられるため、寒い地方では有効なのです。北欧の人の体が大きいのもそのためだと言われています。

 

家庭の経済状況も関係するとされています。経済的に豊かで社会的な地位が高い家庭の子どもは、貧困家庭の子どもより身長が高い傾向が認められているのです。

 

 

■「筋トレ」「正座」「畳」と身長の関係

 

「筋トレを若い時期にすると身長が伸びない」「正座をすると身長が伸びない」「畳の生活をしなくなったから子どもの足が長くなっている」という話もありますが、これには医学的根拠はありません。

 

 

■背の高い子に育てる方法

 

背の高い子に育てる効果的な方法としては、子どもに愛情を与え、適度な運動、バランスのよい食事、規則正しい生活と十分な睡眠が挙げられます。ただし、背の高さには遺伝的な要因も大きく、効果には個人差があることはおさえておいてください。

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今村甲彦

医師。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。久留米大学病院高度救命救急センターを経て、現在は地域の中核病院で内科診療および内視鏡検査に励む。「患者さんの声に常に耳を傾...

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