あなたにとって「カネの価値」とは何か…? 「世界一有名な誘拐事件」に学ぶ、“カネ”との上手な付き合い方

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第90回アカデミー賞で、御年88歳の名優クリストファー・プラマーが助演男優賞ノミネートの史上最高齢記録を更新──


このニュースを耳にした人もいるでしょう。惜しくも受賞は逃しましたが、注目すべきは、彼がこの作品への出演を決定したタイミング。この映画の“完成後”に出演オファーがあったという……一体、どういうこと?

 

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実は、クリストファーは「代役」だったのです。全米公開を1ケ月後に控えたタイミングで突如降板したケビン・スペイシーのピンチヒッターとして出演、しかもオファーから撮影開始まで1週間の猶予もなく、わずか9日間(!)で撮影を終了させたのです。にもかかわらず、ゴールデングローブ賞(監督賞・主演女優賞・助演男優賞)とアカデミー賞(助演男優賞)に史上最短で選出されるという前人未到の偉業を成し遂げたというから驚くしかありません。

 

驚くといえば、ケビン・スペイシーの降板理由がこれまた驚愕……。ハリウッドの大プロデューサー、ハーベイ・ワインスタインのセクハラ告発に端を発する一連の#Me Too騒動がきっかけで、あろうことか映画がすべて完成したタイミングでケビンの“複数の男性に対するセクハラ疑惑”が発覚! 降板が決定したのです。

 

公開中止になっても不思議ではない事態の中、急遽クリストファー・プラマーを代役にたてることに。監督と役者、そしてスタッフが一致団結した結果、当初の予定通り全米公開され、しかも賞レースにまで食い込むという前代未聞の逆転劇が繰り広げられた、まるで「映画のような映画」。それが、5月25日に日本公開を控えるです。

 

 

■50億円の身代金をめぐる極上サスペンス

 

かつて日本でも大きく報道された“世界一有名な誘拐事件”に基づいた本作。「人の命は、カネには変えられない」とは言いますが、この映画を見ていると「もし自分が誘拐されたら、身代金はどのくらいだろう……」そんな不毛な考えが頭をよぎります。

 

さかのぼること約45年前、イタリア・ローマの路上で10代の少年が拉致され、家族に身代金が要求されます。その額なんと1700万ドル! 当時のレートで約50億円に相当する、前代未聞の「誘拐事件」は、被害者が大富豪の孫だったことから大きな話題に。その大富豪とは、中東の石油資源にいち早く目をつけ、わずか一代で莫大な財産を築き上げた「石油王」ジャン・ポール・ゲティ氏(クリストファー・プラマー)。その孫ポールが誘拐されたのです。

 

 

■莫大な富を築いた億万長者の「意外」な顔…

 

50億円なんて普通なら逆立ちしたって払えない身代金ですが、ゲティ家の総資産は、なんと50億ドル(約1.4兆円)。ゲティ家にとっては不可能な金額ではありません。

 

「かわいい孫のためなら、いくらでも支払う!」となるかと思いきや、ゲティ氏は身代金の支払いを断固として拒否! 「世界一の大富豪」は稀代の守銭奴だったのです……。

 

すでに離婚によりゲティ家から離れ“一般人”となっていたポールの母ゲイル(ミシェル・ウィリアムズ)は、息子の命を救うため、凶悪な誘拐犯のみならず、身代金の支払いを拒むドケチな義父ゲティ氏とも闘うことに。ゲイルは離婚の際、慰謝料を一切請求せず、子どもの監護権以外は全て手放すとゲティ氏に宣言。身代金の支払いは、ゲティ氏の財力に頼らざるを得なかったのです。

 

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■カネを通して浮き彫りになる人間性

 

「誘拐事件」を通して浮き彫りになるのは、ゲティ氏、母ゲイル、そして誘拐犯の「カネに対するスタンス」。ゲティにとってカネは人生をかけて増やし続けるもの、犯人にとっては力尽くで奪うもの、ゲイルにとっては家族以上には価値のないもの。カネに対する考え方が、それぞれの人間性を形づくり、人生を左右するのだということが痛いほど伝わってきます。

 

「カネで全てが解決出来るわけではない」。

 

けれど現実にはあらゆることがカネに換算され、多くの人々がカネで人生を狂わされているのは、説明するまでもないでしょう。それを誰より知っていながら、カネの呪縛にがんじがらめになっていたのがゲティ氏であったとも言えます。
 

単なる紙切れでしかない「紙幣」が、「信用」という名の目に見えない強大なパワーを生み出し、換金できないはずの“人命”と天秤にかけられるという皮肉。果たして、息子の命を救えるのは、母の無償の愛か? それともカネの力なのか!? 二転三転するスリリングな展開が、最後まで観客を圧倒し続けます。

 

映画のエンディング、とある一文によって事件後のゲティ家に待ち受けていた過酷な運命が明かされます。その現実の、なんと重いこと……。カネに興味がある人もない人も、この前代未聞の事件の顛末をしかと見届け、今後のカネとの付き合い方、そして生き方に、じっくりと思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

 

 

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『ゲティ家の身代金』

2017年/アメリカ映画/133分/カラー/シネスコ/R15+

 

出演 : ミシェル・ウィリアムズ、クリストファー・プラマー、マーク・ウォールバーグ、ロマン・デュリス、ティモシー・ハットン、チャーリー・プラマー

製作:ダン・フリードキン、ブラッドリー・トーマス、クエンティン・カーティス、クリス・クラーク、リドリー・スコット、マーク・ハファム、ケヴィン・J・ウォルシュ

監督:リドリー・スコット 

脚本:デヴィッド・スカルパ

原作:ジョン・ピアースン「ゲティ家の身代金」

配給:KADOKAWA

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映画ライター

渡邊玲子

映画配給会社、新聞社、WEB編集部勤務を経て、フリーランスの編集・ライターとして活動中。国内外で活躍するクリエイターや起業家のインタビューやコラムを、WEB、雑誌、パンフレットなどで執筆するほか、書家として...

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