若者の着物を“取り締まる” 年長の「着物警察」への対処法

ライフスタイル

 

「着物警察」という耳慣れないワードをネット上で発見した。

 

京都だとか金沢あたりに出没する、尾行や犯人確保や職質などで暗躍する変装上手な私服警官か……と思いきや(※ゴメスは一度、キャップとパーカとナイキのスニーカーという出で立ちで、ダボダボのジーンズを腰履きした金髪ピアスの私服警官から職質を受けた経験がある。警察のコスプレ能力は我々の想像のはるか上を行くのだ!)、それはまったくピントはずれな“大不正解”であった。

 

、「着物警察」とは、

 

インターネットから派生したとされる言葉で、「街中で着物を着ている人にいきなり近づいてきて、警笛を鳴らす警察よろしく“違反”を指摘する人たちのことで、“切符を切られる”のは、だいたいが若い女性で、“切符を切る”のは、たいがいが年長者である」

 

……らしい。着物警察との“遭遇エピソード”は、あらゆるメディアで続々と報告されており、

 

「いきなり襟や袖を引っ張って呼び止められ、『裄が足りてない、だらしがないねえ』と説教された」

 

「化粧室で突然、背後に回られたかと思ったら帯の形を整えられた。それだけならまだしも、去り際に『きちんとしなさいよ、みっともない!』と言われた」

 

「ハーフアップにしていたら『まとめ髪以外は認めない』と言われた」

 

……ほか諸々、ひどくは“おせっかい”を通り越して“パワハラ”の域と言えるハードなディスりもチラホラ……なのだそう。そして、これら着物警察の、度を過ぎたパトロール活動の“被害者”となった若い女性からは、

 

「私はもう慣れましたが、1回の“警察”の指摘で心が折れ、そのまま着物を着ることをやめてしまう人も少なくない。『いろいろ言われたくない』『悪目立ちしたくない』…なんて、着物にネガティブなイメージを持っている子もいる。着物警察さんたちのせいで、着物を着る人口が減っているんじゃないかと思います」(和装が趣味の大学生)

 

……みたいな声が上がっているという。

 

さて。こういったケースでは、総じてヤングの理解者ヅラを気取り、つい日和って「若者を擁護する側」に回ってしまいがちな私ではあるけれどw、こと今回の案件にかぎっては、あえて真逆のスタンスに立って「若者をたしなめる側」の意見を述べてみる。

 

うら若き着物女子の皆さま方々、どうかこれくらいのことは許して差し上げてくださいな。“シカト”に近いかたちでかまわないので、サラッと聞き流し、願わくば「ありがとうございます」の一言を添えるくらいの鷹揚さをもって接していただきたい。

 

「スマホをちょちょいといじれば、たいがいのことが解決してしまう」、第三次産業革命の円熟期だか第四次産業革命の創生期だかは知らないが、いずれにせよ、そういうドラスティックな時代の真っ直中にある昨今、もはやおじ(い)さん・おば(あ)さんたちは「これからは自分が長年の人生で積み重ねてきた経験や、そこから学んだ知識がほとんど役に立たなくなる」という悲しい現実を、肌で薄々と感じ取っている……ような気がする。そんななか、日本古来から生き存えてきた“ファッション”である「着物」は、「伝統的」ゆえ、年長者にとって「経験という裏付けが確実に活きる=自信をもってアドバイスできる」数少ないジャンルなのである。

 

そりゃあ、伝統や様式に縛られず、今風(若者風)に着物をデザインアレンジしたり着崩したりするのも決して悪くはない。むしろ、その柔軟さや工夫といったクリエィティビティには、嫌味抜きで賛辞さえも送りたい。

 

ただ、そうやってなんでもかんでも年長者から“お株”を奪ってしまったら……あと20年もすれば、日本国中が「総姥捨て山状態」と化してしまう……なんてえのも、あながち冗談ではなくなってしまう。万一、着物警察さんたちから有益な情報を一つだけでも得ることができたら、それでラッキー……といった“思いやり(?)の精神”で、老若男女仲良く、避けようのない高齢化社会に立ち向かおうじゃないか。まるっ!

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

ネットニュースパトローラー

山田ゴメス

1962年大阪府生まれ B型。 ネットニュースパトローラー(※citrus限定肩書き。たまにスポーツ新聞や週刊誌も。略して「NNP」)。 関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッショ...

山田ゴメスのプロフィール&記事一覧
ページトップ