“コアラのマーチくん”や“キティちゃん”だって、最初は無名だった! 長く愛されるキャラクター作りに必要なこと

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(いとうとしこ/光文社)

企業が自社キャラを作り、展開していく事例は年々増えている。しかし、「売り上げにつながらない」「人気が出ない」などの理由から、せっかく生み出したキャラクターを隅に追いやってしまったり、最悪殺してしまったりするケースも多いのが現実。いったい、どうすれば長く愛されるキャラクターに育て上げることができるのか。

 

それを教えてくれるのが、この『売れるキャラクター戦略 “即死”“ゾンビ化”させない』(いとうとしこ/光文社)。本書は、“コアラのマーチくん”など様々なキャラクター開発に携わってきた著者が、キャラクターを生み出し、そして育てるために必要なことを、実例を交えつつ分かりやすく解説した本だ。

 

まず、キャラクターとは何なのか。この本によると、「企業や個人の経済活動やコミュニケーション活動を活性化させる目的で開発された、パーソナリティを持つオリジナルの記号」であると定義されている。そしてこれを「生んで楽しむ」ためには、“栄養”と“環境”が必要不可欠。栄養は予算や作り手の愛情、情熱など、キャラクターに投資される熱量のことで、環境はキャラクターが発信されるテレビや印刷物、WEBサイトなどの媒体こと。この2つがしっかりと継続して与えられなければ、キャラクターはコミュニケーション機能を失い、“ゾンビ化”してしまう。常に表に出し、活動させて生かしておくのが大事であると、本書内でも何度も何度も繰り返されている。

 

では、それを前提に、どうすれば愛されるキャラクターを作れるのか。愛されるキャラクターを作るためには、名前、年齢、性別はもちろんのこと、性格、好き嫌い、得手不得手、口癖、将来の夢、家族構成などの人間味があるバックボーンをしっかりと作っておく必要がある。これがあって初めて、キャラクターは人と“友達”になれるのだそう。

 

また、完全なキャラクターよりも、少し不完全な方が、人は惹かれるらしい。例えば、ドジっ子だったり天然だったりという性格的なものから、キティちゃんのように口がない、などの外見的なものまで様々。つまり、“隙”を作ることも、愛されポイントの1つなのだ。他にも、メインキャラクターに商品を売らせないこと、キャラクターを毎日気になる存在にさせること、過剰なブームを作らないことなど、うっかりすると破ってしまいそうなルールが明確に記されている。

 

そして、長く運用していくためのルール作りも欠かせない。線の色や太さから、背景色、キャラクターらしさ、NG行為などを誰が見ても誤解しないように規定しておかないと、キャラクターがぶれてしまい、ファンをがっかりさせてしまいかねない。その軸となる規定を重要視しながら、時代に合わせてチューニングし、時代遅れになったり飽きられたりするのを避けることも重要だ。こうやって多くの人に愛情をかけられ、手間と予算を投入されて初めて、キティちゃんやドラえもん、ムーミンのような長寿キャラクターへと育つのだ。

 

この『売れるキャラクター戦略 “即死”“ゾンビ化”させない』には、他にもオリジナルキャラクターを作成することのメリットとデメリット、実際にキャラクターを作っていくステップ、ゾンビ化させない育成プランなど、実体験を基にしたプロセスが惜しみなく掲載されている。仕事でもプライベートでも、キャラクター作りに興味のある人なら、読んでおいて損はない一冊だ。もしもキャラクターを生み出すことがあれば、キャラクターを無駄にしないよう、愛する覚悟を持って長い目で見て育てていってほしい。

 

文=月乃雫

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