米Yelp、従業員の解雇事由をツイッターで公表して波紋呼ぶ

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総合情報サイト「Yelp」を運営する米イェルプ社が、従業員の解雇理由についてツイッター上にコメントを投稿したことが波紋を呼んでいる。全米人材マネジメント協会が報じた。

 

 

■元従業員がブログ上で批判を展開

 

イェルプの元従業員ジェイミー・セニガリアは3月1日、同社の営業チームを解雇されたことについて、交流ブログに批判記事を投稿した。

 

記事には、セニガリアのボーイフレンドがマウンテンバイクで走行中に事故に遭い、集中治療室へ搬送され、脳損傷と診断された経緯が述べられている。事故があったのは週末で、セニガリアはただちにイェルプに報告した。週明けの月曜日(2月29日)、上司と人事部から連絡があり、「出社するか、もしくは辞職してほしい」と言われたという。

 

セニガリアは出社せず、解雇通知を受け取った。

 

 

■イェルプはツイッターで応酬

 

セニガリアの批判を受けて、イェルプはツイッターで次のように述べた。

 

「残念ながら、当社はセニガリアさんと袂を分かつこととなった。彼女の要求に応じるべく多数の例外措置を認めたにも関わらず、欠勤が繰り返されたためだ(59出勤日中、10日間の欠勤)。当社は複数回にわたって書面にて警告を行い、信頼性と勤怠問題に関する特別なパフォーマンス・カウンセリングを提供した。遺憾ながら、この仕事は彼女に合致したものではなかった。セニガリアさんのご多幸を祈る」

 

イェルプの広報担当者は声明文でこう付け加えた。

 

「当社の営業チームの研修社員は、60日間の集中トレーニングプログラムに参加する。この期間の安定した出勤は必須事項であり、研修生はトレーニングチームとプログラムに支障がないよう、欠勤は2日以内にとどめることに同意する。この出勤規定に達することができない者に対しては、次回の研修クラスに再応募して参加するチャンスを与える。当社はセニガリアさんには例外を認め、彼女をトレーニングチームの一員としてとどめ続け、彼女の要求に応えるべく努め、毎日の出勤時間の調整にも応じた」

 

 

■ソーシャルメディアの議論はトラブルの種

 

今回のイェルプの対応に関しては、複数の専門家が警鐘を鳴らしている。

 

「ソーシャルメディア上で議論を始めるのは、たいていはトラブルの種となる」と、エプスタイン・ベッカー・グリーン社のアダム・フォアマン弁護士は述べる。

 

「法的責任を問われるリスクに加えて、ソーシャルメディア上で従業員の解雇事由を回答することは、さまざまな悪評を招きかねない。はたから力関係を見れば、元従業員は必然的に『犠牲者』として見られる一方、雇用主側は冷酷で無慈悲な威張り屋と捉えられかねない」

 

フォアマンによれば、ソーシャルメディア上での最善の対応は、「中立の立場にとどまること」だという。

 

企業が元従業員の解雇事由についてツイートすることは「著しく逆効果になりかねない」と、フィッシャー・アンド・フィリップス社のピーター・ギレスピー弁護士も口を揃える。

 

「一度情報が世に出回ってしまうと、人々の反応をコントロールすることは困難だ」

 

もし訴訟があった場合、投稿内容は自認事項として利用される可能性もある、とギレスピーは指摘。「投稿が100%正確でない場合はなおさら」であり、これはツイッターの文字数制限によって起こり得るという。

 

 

■プライバシー侵害や名誉棄損の懸念も

 

またフォードハリソン社のベネット・アルシャーは、プライバシー侵害や名誉棄損の懸念からも、ソーシャルメディア上での解雇事由の公開は避けるべきと述べる。

 

「たとえ発言内容が真実だとしても、無関係の第三者に情報を公表する権利は雇用主にはない」

 

「雇用主側は、従業員側が先にソーシャルメディア上で解雇の経緯を述べたことで、プライバシー権を放棄したと唱えることもできるかもしれない。それでもなお、従業員の解雇事由を発表するために雇用主がソーシャルメディアを利用することは推奨できない」(アルシャー)

 

イェルプは今年2月、CEOを批判する公開書簡を同じ交流ブログ上に投稿した別の従業員を解雇したことでも波紋を呼んでいた。

 

参照: | SOCIETY FOR HUMAN RESOURCE MANAGEMENT

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