NOと言えない「いい人」に送る、イヤな相手や困った人とのスマートな境界線の引き方

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(おのころ心平/同文舘出版)

「あなたのためを思って言ってるんだから」と一方的な正義を押しつけてくる人。「そんなに甘くないんだよ」と上から目線でアドバイスしたがる人。「それなら私だって知ってる」とやたらと張り合ってくる人…。パワハラ、モラハラとまではいかなくても、なんとなく合わない相手は誰にでもいるだろう。

 

あなたが理不尽だと感じていても、相手が同僚ならば仕事での立場、ママ友なら我が子への影響など、人付き合いのいろいろな要素が頭をよぎってしまい、つい我慢して「いい人」ぶってしまうことは多いだろう。だが、そういう相手はますますあなたの領域に踏み込んできてしまう。結果、「なんで自分ばかりが我慢しなきゃいけないの?」というストレスばかりが大きくなっていくという悪循環だ。

 

このモヤモヤとした状況を改善するために、「バウンダリー」というとらえ方を紹介してくれるのが、『人間関係 境界線(バウンダリー)の上手な引き方』(おのころ心平/同文舘出版)だ。

 

「バウンダリー」とは、心理学の用語で「自分と他人との間にある境界線」のこと。前述のような人たちを相手にすると疲れてしまうのは、この目に見えない境界線があいまいで、越えられてしまっている状態(バウンダリー・オーバー)が発生しているからだという。「自分の領域」を守るためには、その境界線を相手にわかってもらう必要があるのだ。

 

でも、いい人であるあなたはこう考えるだろう。「できればカドが立たないよう、自然な形で線を引きたい」と。そこで本書の教えが役に立つ。カウンセラーである著者が経験から導き出した「相手に気づかれないように確実に境界線を引く」スキルが詰まっているのだ。その一部を紹介しよう。

 

 

■謎めいた雰囲気をかもし出す

 

会話で求められていることには適切に答えるが、そうでないことまではいちいち言わないというルールを徹底する。「容易にプライベートには踏み込めない」という謎めいた部分を意識させることが肝心。また、一緒に行動しているときにも少しの間いなくなると、「いつも自分に合わせてくれるわけではない」という印象をもたせることができ、有効だそうだ。

 

 

■会話はシンプルに。なるべく接続詞を使わない

 

長引かせずに話を終わらせるため、ひとつのトークのゴールを決めて会話のペースを短くし、相手をそのペースに巻き込む。カドが立ったり対立しないようにするために、「でも」「しかし」などの否定的な接続詞はなるべく使わないことが大事だ。

 

 

■口角を上げて幸せ顔に

 

バウンダリーを引くために、意図的にちょっとした怒りや嫌悪感を表情に出すことも時には有効だ。だが、その効果を引き出すためには、ふだんは口角を上げて幸せな表情を基本にしておくのがよい。

 

 

■しぐさは言葉以上のメッセージ

 

 

上級編としては、手を上下に動かしてシャットアップ・シャットダウンのしぐさをしたり、包み込むようなしぐさをしたりすることで、責任の領域を暗示することができる。また、「それはちょっとどうかな」というときは腕を組むなどのしぐさで、直接的な言葉には出さずとも、サブリミナルに心情を訴えられるらしい。

 

他にもたくさんの「人との距離のとり方」が、ケーススタディとともに本書で示されている。もちろん、それを周囲の皆に対して一律に行う必要はない。家族、親戚、友人、同僚、ご近所の人、ママ友…。相手との関係や相手のタイプにより、バウンダリーの引き方をその都度変えることが大切だろう。自分を中心にしたいくつもの円をつくっていくようなイメージだ。

 

それらの円の輪郭線の外側に、相手が適切な距離で収まる状態こそが、プレッシャーも受けず、かといってあなたが孤立もしない、お互いラクな関係だ。それは、ただ表向きの「いい人」を演じつつ、内心では相手を非難している状態よりもずっと健全だろう。

 

どんな環境でも、合わない人を相手にするのは本当に疲れることだ。そんなときには、本書をヒントにして、自分のできる部分から変え始めてみてはどうだろうか。悩んで過ごしていてはもったいない。

 

文=齋藤詠月

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