フランチャイズだとカップに絵を描かなくなる!? スタバがあえて直営店方式を採用する理由

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筆者は週3日~4日スタバに行きます。多い時は月57回も(!) 私にとってスタバはサードプレイス(自宅や職場とは隔離された、心地のよい第3の居場所)なのです。私のように極端ではなくとも、ついスタバに立ち寄ってしまうという人は多いと思います。

 

なぜここまでスタバは人々を惹き付けるのでしょうか? その理由は、スタバの顧客を惹き付ける施策にありました。

 

 

■スタバが人々を魅了する施策

 

スタバが人々を惹き付ける施策にはいくつかありますが、特に私が惹きつけられた施策をここで4つほど紹介します。

 

1.店員の高いホスピタリティ

スタバの店員さんはおもてなしの心に溢れた人が多いです。例えば、お客さんの注文した商品のカップに、店員さんが絵や文字を描いてくれることがあります。私も「Thank you:)」や「いつもありがとうございます」といったものを描いてもらえました。こういったメッセージをもらうと、またスタバに行きたくなりますね。

 

2.コレクター精神を(良い意味で)煽る

スタバはコレクター精神に訴える施策があります。中でもプリペイドカードである『スターバックス カード(通称・スタバカード)』はバリエーションがいっぱい。地域限定カードには北海道、仙台、東京、横浜など13種類があり、全部集めたくなってしまいます。

 

3.ついリピートしたくなるサービス

ついスタバを利用し続けてしまう原因の1つに、Starbucks Rewardsというものがあります。これはポイントカードのようなもので。スターバックス公式アプリ(iOS/Android)の中で使える機能です。50円(税抜)の支払いあたりGold Starが1つ貯まります。Gold Star 150個で「Reward eTicket」を発行でき、eTicket1枚で税抜700円までの商品(飲み物やコーヒー豆など)と交換可能です。Gold Starを集めるには、Starbucks Rewardsの登録から1年以内にGreen Star(税抜50円の支払いあたり1つ貯まります)を250個貯める必要があります。

 

4.定期的に新商品を投入し、顧客を飽きさせない

スタバは新商品の販売に積極的。特に2018年春頃に販売された『ストロベリーベリーマッチフラペチーノ』は好評で、どの店舗に行っても売り切れ続出。午前中の早い時間に行かなければ買うことができないほどの人気でした。5月に販売を開始した『エスプレッソ アフォガード フラペチーノ』は「大人のためのフラペチーノ」というコンセプトで販売され、こちらも話題になっています。私も思わずこれらの商品を注文してしまいました。

 

上記のようなサービスは、全国どの店舗に行っても受けられます。それが実現できるのは、スターバックスがある戦略を取っているからなのです。

 

 

■日本のスタバにはフランチャイズがない!?

 

実は日本のスタバにはフランチャイズ店舗がなく、すべて直営店となっています。他のチェーンもすべて直営なのか?と思いきや、ドトールのフランチャイズ店舗は935店舗、直営は190店舗となっています(平成30年4月現在。より)。コメダ珈琲にいたっては681店舗のうち直営店はわずか10店舗だそうです(平成28年4月現在。より)。

 

フランチャイズ方式の場合、加盟店がはじめから土地や店舗を所有しているので、本部側はコストが掛からず展開しやすいというメリットがあります。対して加盟店側はお店のブランド力で勝負することが可能です。フランチャイズ方式は、双方にとってメリットがあります。

 

しかしながら、フランチャイズ方式では本部側の意図するロイヤリティ戦略に加盟店側が従わない可能性があります。もしスタバがフランチャイズ方式を取っていた場合、加盟店側は利益最大化を志向するので、椅子の大きさを狭くして顧客の回転率を高くしようとしたり、店舗ならではのオリジナルメニューを提供したりするかもしれません。しかし、それではスタバが目指す戦略(温かい接客でくつろいだ時間を過ごせる「体験」を提供すること)とは相異なるものになってしまいます。上で述べたように、「カップに絵を描いてもらえる」などのホスピタリティを提供する場合、直営店方式でないとなかなか難しいでしょう。私たちがスタバに行きたくなる理由には、直営店方式でロイヤリティ戦略を統一しているからなのです。

 

コストが掛かる直営店方式をあえて取っているスタバ。最近ではJSCI(日本版顧客満足度指数)のカフェ部門で6位にまで順位を落としてしまいました。その原因は、パソコン作業や読書をする人が増えてスタバに長居する人が多くなった結果、「スタバはいつも混んでいる」という印象を消費者に与えてしまったことにあるのではないでしょうか? ゆっくりくつろげる空間を保ちつつも売上を増やす、というのはなかなか難しいことではありますが。今後のスタバはどのような戦略を取っていくのか注目です。

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ライター&ブロガー

安齋慎平

1985年福島県生まれ。県立福島高校、東北大学経済学部卒。ライフハッカー[日本版]などのWebメディアや、企業オウンドメディアなどで執筆中。内閣府広報『Highlighting Japan』など官公庁から依頼された記事も担当...

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