40~50代男性の「孤独死」が急増!? 高齢者だけではない、その実態…

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『男の孤独死』(ブックマン社)

いつからか、日本は「孤独死大国」と呼ばれ始めた。2017年10月29日付の「読売新聞」で発表された同紙の独自調査では、東京23区と19道県の統計で誰にも看取られることなく自室でひっそりと亡くなった人の数は2016年で1万7433人。全国的には、年間で3万人にも上るという声もある。


そのうちの「7割が男性」であると指摘するのは、在宅医としてその現場を知る医学博士・長尾和宏さんの著した(ブックマン社)だ。本書をたよりに、孤独死の実態に迫りたい。

 


■孤独死は増加傾向。男性は40~50代にかけて急増するという統計


孤独死といえば、その対象となるのは高齢者というイメージもある。しかし、東京都監察医務院が公表した2016年の「東京都区部における性・年齢階級別の孤独死数」によれば、男性は65~69歳をピークに、実際は40~50代にかけて急増するという報告がある。


また、全国の賃貸住宅を管理する都市再生機構(UR)も、「死後1週間以上経って発見された、一人暮らしの人の死」を孤独死と定義付けた統計を発表している。それによれば、約75万戸のうち、2014年度の発生件数が186件。先述の「1週間以上」という定義付けがされていなかった1999年~2009年のデータでも「10年間でその数は約3倍にまで増加」と本書では紹介されている。


さらに、長尾氏は孤独死として扱われる中に「緩やかな自殺」といえるケースもあるのではないかと指摘する。緩やかなというのは、例えば首を吊る、睡眠薬を飲むといたケースではなく、病気になっても放置していたり、自暴自棄に酒びたりとなったりするなど、いわゆる「セルフ・ネグレクト(自己放任)」も当てはまるという意味だ。


死因はさまざまであるものの、本書では「20人に1人は孤独死している」と現状を嘆く声が綴られている。

 


■突然死を防ぐには“かかりつけ医”を見つけるのも一つの手段


孤独死を避けるために、何をするべきかはさまざまな場所で繰り返されている議論だ。医師としてその現場にたずさわる長尾氏は、その一つの手段として「かかりつけ医」を見つけることの必要性を訴える。

突然死が大きな要因になりうる孤独死を考えるなら、大切なのは「もしものときがいつか来る。明日来るかもしれない」という意識だというが、終末期医療を考える上でも欠かせない病院の選び方は、以下の4点がポイントになる。


・家から近いということ
・いざというときには往診をしてくれること
・痛みを取る治療(=在宅緩和ケア)に精通していること
・さまざまな病気や心の悩みを総合的に診てくれること


尚、日頃から世話になる主治医を見つけるとなると“大病院でなければいけない”というイメージもあるが、本当に重要なのは「動けなくなったときにも駆けつけてくれるかどうか」だと長尾氏は指摘する。

 


■LINEなどの“既読”機能は安否確認にも役立つ


病院を見つけるという手段以外に、身近にできる対策もある。長尾氏が提案するのは「用事がなくてもLINEや電話ができる相手を3人作る」という方法だ。


万が一の場合、一人暮らしなら数日間や数週間、ひいては数ヶ月もの間、誰にも発見されないということもありうる。LINEやFacebookなどのメッセンジャー系アプリは返信せずとも読めば“既読”が付くため、安否確認にも使えるというわけだ。


その相手は、仕事と無関係であるなど利害関係のない人が望ましい。他愛なく「おはよう」の一言でも交わせるような相手がよく、できれば誰かに依存するのを避けるため、3人ほどがふさわしいという。


昨今は、若者の孤独死を不安視する声もある。本書はあくまでも比較的年齢層の高い人たちをターゲットにした一冊であるが、将来的な生活を考える上でも参考になりうる書籍だ。


文=カネコシュウヘイ

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