「コンビニにエロ本」は日本だけ!? 外圧で変化する我が国のヌードカルチャー

ライフスタイル

 

日本では2020年の東京五輪開催を機に、コンビニで販売されている成人向け雑誌や漫画類(いわゆるエロ本)の取り締まりが厳しくなりそうです。子供の目に触れにくいよう、アダルト雑誌にカバーを掛けたり、該当本棚に目張りを取り付けるといったコンビニ側の取り組みが徐々に進んでいるのですが、その理由としては、“来日した外国人が、ずらりとコンビニに陳列されたエロ本を見て驚愕するから”との噂も。でも、これって日本特有の光景なのでしょうか?

 

 

■日本が特殊? エロ本の販売事情、海外では…

 

私の居住するオーストリアの状況を一例に挙げるなら、長距離トラックのドライバーが常連の高速道路沿いガソリンスタンドでもない限り、性的描写が満載された雑誌が堂々と売られているケースはまず目にしません。

 

近隣のイタリアやフランスのキオスクでは、ポルノ雑誌がショーウィンドウに並んでいる様を見たことがありますが、子供の目の届かない高さにディスプレイするなどの工夫がなされています。また、ブラジルのリオデジャネイロでは、肌を過激に露出したサンバダンサー雑誌が街中で大量販売されているのを目撃しましたが、肉体美を是とする同国では、サンバコスチューム姿の女性はもはや芸術の域に達している感も。

 

このように、「裸体女性を扱った雑誌が白昼堂々と売られているのは日本だけ」とは言い切れないものの、子供への教育面や現代日本の“恥じらいの文化”などを考慮すれば、やはり日本のエロ本販売法は少し特殊なのかも知れません。

 

 

■アラブ女性を泣かせた! ヨーロッパ発の“ドッキリ裸文化”

 

一方、雑誌販売法以外に目を向ければ、ヨーロッパには日本人がビックリするような“ドッキリ裸文化”が存在するのも事実。有名どころでは、売春宿の一形態であるオランダの飾り窓や、キャサリン妃もトップレスになったヌーディストビーチなどが挙げられますし、サウナは通常男女ともに全裸でくつろぐ場所。子供も気軽に読める全国紙やフリーペーパーにヌードやランジェリー姿の女性が毎日掲載されているケースも珍しくありません。この他にも、空港のデューティーフリーセクションにまで進出しているセックスショップ、性器丸見えの男女の大型交通広告などなど、我が目を疑うような代物も多々見られます。

 

実際、アラブ系の友人女性などは、ウィーン移住直後にヌーディストゾーンに連れていかれ、老若男女がヌードライフを満喫する有様を目の当たりにして、“ショックのあまり泣いた”と語るほど。他文化の人に衝撃を与えるような裸カルチャーは、日本のみならずヨーロッパにも歴然と存在するようです。

 

 

■江戸時代以前には普通だった混浴文化

 

と、ここまでヨーロピアンの開放的なヌーディストっぷりを書きましたが、実は幕末の黒船来航以前は、日本でも温泉や銭湯での混浴が一般的だったとのこと。当時の資料、「ペリー総督日本遠征記」を紐解くと、

 

“男も女も赤裸々な裸体をなんとも思わず、互いに入り乱れて混浴しているのを見ると、この町の住民の道徳心に疑いを挟まざるを得ない。他の東洋国民に比し、道徳心がはるかに優れているにもかかわらず、確かに淫蕩な人民である”(ウィキペディア)

 

との記述が。日本人が淫蕩な人民云々は余計なお世話であるとして、我々の祖先は現ヨーロッパのヌーディストたちよりも、遥かに先鋭的なナチュラリスト文化を築いていたようです(笑)。しかも、当時の混浴はいたって自然かつおおらかな状況だったそうですし、現に日本人の混浴風景を“牧歌的のどかさ”、“天真爛漫”、“清らかで素朴”などと異口同音に表現した欧米人も複数存在した模様。

 

ただし、ペリーの嫌悪感を深刻に受け止めた明治政府が、欧米への体裁を気にして混浴禁止令を布いたため、その後、都市部を中心に混浴文化は衰退の一途を辿ったのだそう。

 

そう考えると、今回のコンビニのエロ本対策も、外圧に屈した当時の状況と若干似通っているように見えなくもありません。この取り組み自体には個人的に大いに賛成の立場ですが、もし自国の子供たちへの配慮以前に、外国人への遠慮や気遣いが先に来ているのであれば、ちょっと釈然としませんよね。それとも、五輪招致スピーチであれだけ“お・も・て・な・し”を強調してしまった以上、これも仕方がないのでしょうか!?

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ライジンガー 真樹

All About「オーストリア」ガイド、ダイアモンド社 地球の歩き方「ウィーン特派員」。 ウィーン移住をきっかけに、オーストリアの歴史・文化・グルメなどの魅力を日本の人々にも伝えたいと願い、CA乗務の傍ら旅行...

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