要注意!若いミドルマネジャーを苦しませる「アラ定(アラウンド定年)の部下」たち

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最低限のITリテラシーとコミュニケーション能力が必要 stockstudioX-iStock.

■定年間近の部下にやる気がなくて困っている、という30~40代の管理職が増えている。このままではだめだ

 

30歳前後の方を「アラサー」と呼び、40歳前後を「アラフォー」と言います。同じような略語に「アラ還」があります。還暦に近い人のことです。

 

その流れに便乗し、私は「アラ定」を使うことがあります。「アラ定」とは、「アラウンド定年」の略。年齢を基準にした「アラ還」と異なり、定年退職の時期に近づいているかどうかが基準です。

 

このような略語を使うようになったのは、とにかく「アラ定」のベテラン社員にやる気が見られないからです。

 


■「ミドル上司vsアラ定部下」


「最近の若者はやる気が見られない」という上司のぼやきは、今は昔。ひと昔前までは「ベテラン上司vs若者部下」であった構図に、今は「若いミドル上司vs高齢のアラ定部下」という構図も加わりつつあるのです。

 

私は企業の現場に入り込んで目標を絶対達成させるコンサルタントです。仕組みの構築やスキルアップが目的ではなく、「結果」が求められる支援をしています。

 

30代、40代の課長や部長職の方が私の研修を受け、

 

「60歳を過ぎた部下が私の下に異動してきました。行動指標を決めても、まったくやり切ってもらえません」

 

「昔、世話になった上司が私の部下になり、本当に困っています。昔ながらのやり方を変えてもらえないので、チームの空気が締まらないのです」

 

......このような「ぼやき」を口にする人が急増しているのです。

 


■ミドルマネジャーの悩み


20代の若者を前にして悩むのは、ある意味健全ですが、人生の先輩である10歳以上も年上の方が部下についたら、誰でも戸惑うことでしょう。しかも相手が「アラ定」だと、なおさらです。


「Cさん、まだ営業部にデータを送ってないって、聞きましたよ。期限は今週の水曜日だったのに」

「え、水曜日? そうだっけ?」

「そうだっけ、じゃなくて......。店舗をまわって商品の陳列状態を写真で撮り、クラウドにアップするだけじゃないですか」

「あのタブレットで写真を撮るのか」

「何を今さら......。説明会を聞いていたでしょう? 手取り足取り教えてもらって、操作も覚えたはずです」

「タブレットで写真を撮ってから、どうすればいいんだ。画像をアップしろと言われても、どこにデータを保存していいのか」

「保存なんか意識せず、クラウドにそのままアップすればいいのです」

「私は後2年で定年なんだ。そう追い込まんでくれよ」

「全国で実施している調査なのに、このエリアだけができてないと本部から叱られてるんです。困ったなァ」


定年間近の方は、「社長室」「業務改革室」「経営企画部」といった、直接部門をサポートする間接部門に配属するケースも多い。最低限のITリテラシー、調整役としてのコミュニケーション能力がなければ、できない仕事が頻出するため、「アラ定」の部下を持つ上司の悩みが深くなるのです。

 

「アラ定」の方で問題なのは、開き直ることです。若者が「入社してまだ2年なんですから、できなくて当たり前です。わかりますよね?」とあっけらかんと言ってきたら「ふざけんな!」と上司は一喝できます。

 

しかし定年間近なベテランの方が「あと少しで定年なんだから、勘弁してくれよ。わかるだろ?」などと開き直られると、上司は頭を抱えます。理屈に合わない言い分ですが、相手が「人生の先輩」である以上、キツく言えないのです。

 


■「アラ定」はどうすればいいのか


今後、日本のミドルマネジャーは、入社2~3年目の若者部下と、定年まで2~3年のアラ定部下を同時にマネジメントしていかなくてはならない時代が来ます。

 

そのためのポイントは3つです。

 

1.若手部下を正しく教育する
2.「見える化」を徹底する
3.動かぬ証拠で「アラ定」部下をリードする

 

少なからず、若手部下が言うことを聞かない状況であれば、部下が「アラ定」であろうが関係ありません。まず手順として、若手部下の躾をキッチリしましょう。若手部下に甘くて、「アラ定」部下に厳しく――はできません。

 

次に、組織メンバーとして正しい行動をしているか、指標データを「見える化」してマネジメントします。その風土を作り上げてから、データという「動かぬ証拠」をもって「アラ定」部下を指導します。

 

今の日本企業は、30~40代のミドルマネジャーによって支えられています。「アラ定」の方々は、こういったミドルの心の支えになるだけでなく、手足となって動かなくてはならない時代になってきたことを自覚しなければなりません。


文=横山信弘

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