自分のにおいには気づけないってホント? 体臭と口臭を科学的に予防する

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『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』(桐村里紗/光文社)

人間の嗅覚には、「順応」という特性がある。においを脳に伝える神経は、日常的に嗅いでいるにおいを遮断するのだ。そのため、人は、普段自分が発しているにおいを自分で嗅ぐことはできない。また、周りの人も、面と向かって指摘してくれることは少ないだろう。仲の良い友人であれば別かもしれないが、会社の上司や、取引先の人を相手に「口が臭いですよ!」と言うことはなかなかできない。つまり、自分の口や体がにおっているとき、自分で気づくことも、他人に教えてもらうこともむずかしいのである。だからこそ、におい対策は、自分で意識的に行わなくてはならない。


そこで紹介したいのが(桐村里紗/光文社)である。「においとは何か」というところからはじまり、体臭や口臭のタイプ別の原因や、最新科学に基づいた対策までを解説している。

 


■食後すぐに磨いてはいけない? 歯磨きに関する“最新の常識”


口臭の原因は、8割が口腔内環境の問題、残りの2割が体内の問題(呼気を通じて口臭として感じられる)だ。においごとにその原因は異なるが、歯磨きによって口腔をケアし、歯周病や虫歯のもとになるプラーク(歯垢)をコントロールすることがなによりの基本となる。


歯磨きに関しては、日本ではこれまで「食後すぐに歯を磨く」「1日3回磨く」ことが良しとされてきたという。だが、著者によれば、現在では世界的にも考え方が変わり、歯磨きはタイミングが重視されるようになってきたという。睡眠中~朝の起き抜けの間は唾液が減少するため、プラークの原因になる細菌が増える。そのため、就寝前と起床時の2回歯磨きをすることで、この時間に細菌が増えすぎることを防ぐことができる。食後にするべきなのは、口をすすぎ、歯間ブラシで食べかすを取り除くことと、唾液をしっかり分泌させ、口腔内や歯間、歯の付け根に行きわたらせること。まとめると以下のようになる。

 

・起床時:歯磨き+口すすぎ
・各食後:歯間ケア+唾液分泌法+口すすぎ
・就寝前:歯磨き+口すすぎ

歯磨きに関しては、ブラッシングの方法や歯ブラシの選び方、歯間ケアの方法など、多くの人が「なんとなく」で済ませがちなところも詳しく解説してくれる。

 


■“ベタベタ汗”から“サラサラ汗”に! 汗腺は鍛えられる!


体臭の原因もいくつかあるが、最も嫌われるにおいが汗臭だという。汗自体は無臭なのだが、その中に含まれる栄養成分が常在菌を増やし、その代謝物がにおいの原因になる。著者によれば、汗のにおいを抑えるためには、以下の3つの習慣が大切だという。

 

・能動汗腺を鍛える発汗習慣を持つこと。
・かいた汗はこまめに拭き取ること。
・ケア用品は、自分に必要なものを適正使用すること。

能動汗腺とは、サラサラ汗を出すエクリン汗腺のうち、活動している汗腺のことだ。この能動汗腺を鍛えるためには、じわじわと体温を上げていく有酸素運動を20分以上継続することが有効だという。はじめはベタベタ汗しか出なくとも、継続しているうちに、爽やかなサラサラ汗が溢れてくるようになるんだとか。汗のにおいをケアする商品についても、制汗、殺菌、消臭、マスキングという役割に分類し、使用する際のポイントを細かく教えてくれる。


なかなか人に相談することができず、何が正しいかもわかりにくい、においの問題。それは、対人関係に大きな影響をあたえるだけでなく、自身の健康状態を示す大切なバロメーターでもある。この記事を読んでドキッとした人は、本書でこれまでの習慣を見直してみてはいかがだろうか。


文=中川 凌

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