ゴキブリも猛暑で死ぬ⁉ どうやって家に入る? 「蚊」「ハエ」「ゴキブリ」の知られざる生態

ライフハック

藤原 千秋

 

蚊、ハエ、ゴキブリ……世に「害虫」と見なされる虫の多くは夏に増える。彼らが変温動物たる所以である。気温の高まりにあわせて孵化、成長、繁殖、代替わりを経る彼らに、私たちはどう対峙していくべきなのだろう。相対してしまった際求められるふるまいとは、そもそも相対せず済む方法とは何だろうか。

 

 

■蚊はふてぶてしい

まず、どんな害虫であれ、何もない空間に「ぽっ」と発生したりはしない。家の中で孵化してしまえばその家出身となるが、産卵しに来た(あるいは、いつの間にかに産卵した)親虫がどこかにいるはずだ。

そんな親虫や卵の意外な侵入経路として挙げたいのが、「人」「荷物」「食べ物」の3つである。

「人」というのはズバリ私たちだ。人の住まいで見かける害虫たちは、多かれ少なかれ「人」から日々の糧を得る。それは血液であったり、フケや皮脂を含む排泄物であったり、暮らしの中から生じる塵芥であったりする。

害虫は屋外で人をキャッチし、家までついてくる。そして玄関を経て堂々と家の中に入る。そんなふてぶてしい入り方をする害虫の代表格は蚊だが、玄関のドアを開けた瞬間はゴキブリにとっても侵入のチャンス。間抜けにも、堂々と玄関から入り込まれるパターンは珍しくない。毎日夜に帰宅し、薄暗い、あるいは真っ暗な中、玄関を開けることの多い諸氏は注意されたい。


 

■ゴキブリと段ボールの“親和性”


次に「荷物」。これはゴキブリが新築住宅などに侵入する経路として、もっともポピュラーだ。引っ越し前の住まいでゴキブリが産み落とした卵鞘を、私たちは家具や家電とともに新居へ持ち込んでしまう。


また、引っ越しの荷物を梱包した再利用品の段ボール箱にも、しばしば産卵されている。保温性が高く、湿気るとほどよい湿り気を与えてくれる段ボールはゴキブリの大好きな素材だ。
 

 

■熟れたバナナのまわりをファンファン


最後の「食べ物」だが、これはコバエ類の侵入経路となりやすい。たとえば、夏場わりあい目にすることの多い、やや過熟気味のバナナなどの果物である。売り場にあるときから細かな虫がその周囲をファンファンと飛びまわっていることがある。その果物を買って家の中に入れてしまうと、「大発生」につながりかねない。くれぐれも気をつけてほしい。


余談だが、近年は昔ながらの「ハエらしいハエ」、つまりイエバエやクロバエの目撃例は激減している。一方で、もっと小さな「コバエ」と総称されるショウジョウバエやチョウバエは見かける機会が増えている。ショウジョウバエの多くは前述のように食べ物についてくるが、チョウバエの侵入経路は明らかではない。
 

 

■ゴキブリもエアコンが好き

つまるところ、害虫たちは私たちの無意識を突いて家の中に入り込む。無意識というか、無自覚というか、ともあれ「無」が防除を妨げていると言ってもいいだろう。

ただ、昆虫がいかに高い気温を好むといえど、昨今の猛暑は彼らの生存を危うくさせている。ゴキブリなど核戦争が起きても生き残りそうなイメージだが、実は気温35度で活動は鈍化し、40度を超えると死んでしまう。だが25度以上では活発に活動するし、30度くらいが最適温度……。つまり、ほどよくエアコンの効いた部屋は彼らにとってもまた快適な環境なのだ。

だから、もっとも大事なのは「三ない」を意識した水際作戦。家の中に連れ込まない、持ち込まない、そして(持ち込んでも)繁殖させない。しかし、「言うは易し行うは難し」である。

まず、構造的に隙間の多い古い家屋で屋内への侵入経路を断つことはほぼ不可能だ。気密性が高そうな鉄筋コンクリート製の集合住宅も、築年数が古いと共用配管などの隙間からいとも簡単に侵入されてしまう。ただ、比較的築年数が浅い場合はその限りでない。換気時に網戸を使っていれば、網より小さな虫以外はそうそう入り込めない。もちろん、玄関のドアを開け閉めする際の注意は大前提である。
 

 

■もし家の中に入れてしまったら…


そうこうしながらも致し方なく侵入を許してしまった虫に対するアクションの最適解は、「殺虫剤」「毒餌剤」「捕獲器」といった殺虫道具の利用となる。

比較的脆弱な蚊に対しては、空気中にまんべんなく殺虫成分を行き渡らせられる電子式の「蚊取り」が効く。これなら時間をおかずに退治できるだろう。
 

やや厄介なゴキブリに対しては、それを食べた個体のみならず糞を食べた仲間にも影響が及ぶ「毒餌剤」がオススメだ。住まいのあちこちに仕込み、時間をかけて撲滅しよう。ホイホイ的な「ゴキブリ捕獲器」も一定の効果はあるが、死骸を始末しなければならないのは気が重い。

ただ、「捕獲器」もハエ類に対しては効果を発揮する。甘酸っぱい匂いで誘い出す仕組みのあれだ。市販品はいずれも、ペットや子どもの誤飲・誤食を避けるサイズ、構造になっているので安全かつ容易に使える。便利な道具をうまく活用し、害虫対策を施してみてほしい。

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藤原 千秋

大手住宅メーカー営業職を経て2001年よりAllAboutガイド。主に住宅、家事まわりの記事執筆を専門とするライター・アドバイザー&コラムニストとして活動。著・監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新...

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