彼がメンヘラ女とつきあうように。いったいなぜ?

人間関係

亀山早苗

 

■しっかりしている女はフッてもいい?

 

飲み会でこれと狙った男に色目を使い、ボディタッチでその気にさせる。そんな女は同性からみれば「またやってるよ」と総スカンを食らうのだが、男から見るとやはりある種の抗いがたい色気があるようだ。

 

「私、周りに『あの女、ちょっとアヤシイよ』と言われているメンヘラ女に恋人を奪われたんです。彼女は、ネットで知り合った趣味のグループにいつの間にか入り込んできた人で、私と彼がつきあっているのを知っていた。すごく感情的だし、一時期、グループのある男性にしつこくしていたから、みんな当たらず触らずだったんですが、彼が毒牙にかかってしまった」

 

エミさん(34歳)は悔しそうに唇を噛みしめる。1年つきあっていた彼の様子がおかしくなり、彼を問いつめると、その女・アヤノさんとつきあっていることが判明した。

 

「オレ、わかったんだよ。アヤノはオレだけが頼りなんだ。エミにはたくさん友だちがいるし、ちゃんとした仕事もあるだろ。でもアヤノは不器用で人とうまくやっていけないから、仕事も続かない。親との関係も悪いみたいだし、オレが味方をしてやらなければいけないんだ」

 

彼はそう言ったという。もちろんエミさんは彼と別れた。趣味のグループはそれを機会に、彼とアヤノさんの出入りを禁止。

 

「しっかりひとりで生きている女は放っておいてもいい。だけどかわいそうな女は自分が救ってやらなければいけない。そういう彼の考え方が腹立たしくて」

 

エミさんの気持ちはもっともだが、実際、こういう男性は今の時代にも少なくない。

 

 

■自分の存在価値を見いだせる

 

男はなぜ、こうした女にふらりとなびいてしまうのだろう。自身もメンヘラ女性が好きだというユウイチさん(36歳)は、そういう女性に頼られると自分の存在価値がはっきりわかるからだという。

 

「ときどきわけのわからないことを言って試してくる女性とか、遠方から『今すぐ来て』と言う女性とかがいるんですよね。でもそういう女性たちの要求を叶えることで、自分自身が誰かの役に立っているという実感がある。『あなたがいないと生きていけない』と言われると、僕自身も救われるんです。共依存と言われるのはわかっているけど」

 

人はいつでも、誰かに必要とされることで自分の存在を実感するのかもしれない。良し悪しは別として、誰かに強烈に求められると、それに応えることが愛情だと思う人もいるのだろう。ひとりでしっかり立っている女性こそパートナーとしていいと思うのは外野の判断に過ぎないのだ。

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亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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