これからの“終活”は「QOD(クオリティー・オブ・ダイイング)」がポイントになる

ライフハック

 

「クオリティー・オブ・デス」という言葉がじわじわと広がっています。直訳すると「死の質」。

 

「人生の質」を意味する「クオリティー・オブ・ライフ(QOL)」はすっかり浸透していますが、死の質も高めるという考え方が「QOD」だそう。欧米では一時点の死(Death)ではなく、その過程や遺族ケアも含む(Dying)を使うことが多いそう。私も「クオリティー・オブ・ダイイング」のほうがしっくりくるような気がします。

 

現在読売新聞ではQODの特集記事が連載されています。

 

2016年4月3日の記事は「家で看取る」がテーマ。

 

「自宅で見られなくなってからでは、入れる施設が見つかりませんよ」
昨年7月、○○子さんに末期のがんが見つかった時、病院の医師は、ホスピスや介護施設を探すように促した。訪問診療をしていた医師も「家は大変だから・・・」と歯切れが悪かった。



自宅で最期を迎えるのは、それほど大変なのだろうか。
迷い始めた○○さんを支えたのは、訪問看護師や介護士の言葉だった。
「最期になれば、病院と自宅でできることに差はありません。自宅でも痛み止めが使えますし、呼吸を楽にする機器も持っていきます」「心を決めてくだされば、全力で支えますよ」

 

「全力で支えますよ」

 

この言葉、響きます。

 

私が時折携わっている重度訪問介護の現場では、肢体不自由者、胃ろうの方ばかり。同居家族だけで見守っていくのはかなりの重労働で、ストレスを感じている人も少なくありません。それをサポートするのが医療・介護事業者なのですが、そうはいっても、1社でサポートするのは難しく、先日入った方は、「訪問診療所」「訪問看護ステーション」「リハビリ事業者」「介護事業者2社」の5社体制で互いに連携しながらサポートしていました。

 

残念なことに、そこに葬送・供養関連業界は入っていません。

 

「そうした時代に重要なのが、より良い逝き方を考えるQODという視点だ」と、袖井孝子・御茶の水女子大名誉教授は言う。1980年代から欧米で使われはじめ、21世紀に入り研究が盛んに。望んだ「死に場所」や治療法が得られ、苦痛が少なく、人生の振り返りや遺言・墓などの準備をし、家族との時間があることが、QODを高めると指摘される。

 

医療チームとのコミュニケーションが十分にあることが、家族との満足度にもつながるという。

 

現在、「終活」というと、「人生の振り返りや遺言・墓などの準備をし」の部分に特にスポットがあたっていますね。「家族との時間をどう過ごすか」という視点から、終活を考えてみると、医療・介護にしても、人生の振り返り・遺言・墓にしても、また違った答えが出てくるかもしれません。

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葬儀・お墓コンサルタント

吉川 美津子

社会福祉士(葬送ソーシャルワーカー)、葬儀・お墓・終活コンサルタント。90年代半ばに葬儀業界に足を踏み入れ、大手葬儀社「公益社」勤務、つづいて仏壇・墓石販売店「はせがわ」勤務。駿台トラベル&ホテル専門学...

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