【その薬、本当に必要?】飲み過ぎ注意!眠気を吹き飛ばす栄養ドリンクの落とし穴

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歴史あるところでは「ファイト一発!」の「リポビタンD」、80年代のバブル期に一世を風靡した「リゲイン」、最近若い人に人気の「レッドブル」などなど、栄養ドリンク市場は花盛り。いちばん効くのはどれ?コスパのいいドリンクは?気になりますよね。栄養ドリンクについて、宇多川先生に聞いてみました。

 

 

■無水カフェインの飲み過ぎで睡眠不足に?

 

「今日は徹夜だから」コンビニでエネルギードリンクを買ってくる。あるいは「今日は大事な会議があるから」眠気を覚ますために飲む……。日本の職場では昔からよく見られる光景ですが、これはちょっと心配です。

 

栄養ドリンクには正確な定義はありません。「清涼飲料水」カテゴリーの製品もあれば、指定外医薬品という「医薬品カテゴリー」の製品もあります。そのほとんどに「無水カフェイン」と「糖類」が入っています。私が栄養ドリンクでいちばん問題があると思うのが、このふたつです。

 

はじめに無水カフェイン。これはひとことでいえばカフェインのことです。コーヒーで眠気を抑えながらこれを読んでいる方、いませんか?みなさんもご存知のとおり、カフェインには覚醒作用があります。

 

無水カフェインは、かぜ薬など薬品にも配合されています。なぜかというと、鎮静作用があるからです。無水カフェインには脳の血管の収縮作用があるため、一時的に頭痛を抑える効果もあります。

 

カフェイン(無水カフェイン)は適量であれば、一時的に眠気をとったり、痛みを取ったりする効果が見込めます。しかし、やはり飲み過ぎれば副作用が出るおそれがあります。当然、眠りの質は落ちてしまいます。心筋梗塞のリスクも指摘されているぐらいです。一時的に脳の血管を収縮させて頭痛を抑えることはできますが、収縮のあとには拡張がきます。するとカフェインを摂取する前より痛みが増幅するおそれがあります。

 

またカフェインには依存性があり、これも過ぎれば中毒になります。コーヒーを飲まないと仕事する気が出ない人も、もしかしたら軽い依存症かもしれませんね。

 

 

■ビールは糖質ゼロを選ぶのに、栄養ドリンクの糖分は気にしないの?

 

次に問題なのは糖分です。糖質(糖分)は人間の生命活動の重要なエネルギー源ですから、当然栄養ドリンクにもたっぷり入っているわけです。成分表をみると、たとえば眠気を打破するドリンクでいちばん多く含まれているのは「果糖ブドウ糖液糖」です。ウコン系飲料でも、もっとも多い成分は「砂糖」や「果糖ブドウ糖液糖」です。

 

これらの糖分はコーラなどの清涼飲料水に使用されている糖分と変わりません。ふだん清涼飲料水やビールでは「糖質ゼロ」を選んでいる人が、栄養ドリンクは糖分ゼロを選べない。栄養ドリンクは50ml程度と容量が少ないため、あまり気にしないで済んでしまうというのもあるでしょう。そこが落とし穴です。

 

「糖分が入っていても、たいしたことない」は本当でしょうか?これは日本の製品ではありませんが、栄養ドリンク1本にティーンスプーン13杯分の砂糖と、コーラ4杯分のカフェインが含まれているものがあるそうです。栄養ドリンクには生薬が配合されているものも多く、そういう成分の苦みを抑え、おいしく仕上げるためにも糖分は必要なのでしょう。しかし、「体によかれ」と思って飲みつづけた栄養ドリンクのおかげで糖分摂りすぎ、糖尿病の原因になりうるのです。

 

実際のところ、こうしたドリンクを常用する人の特徴として、食事や睡眠、運動で健康改善するよりも、ドリンク類に頼りがち、という傾向があると思います。生活習慣を改善せず、大量の糖分が含まれた栄養ドリンクを飲みつづけることで、いつの間にか糖分摂りすぎになってしまうのです。そもそも、栄養ドリンクを飲まなければやってられない!という状態が普通ではないのです。ドリンクを欲する時点でそれは体から「疲れた〜、休ませて〜」のサインです。

 

眠いけど運転しなければいけないとか、どうしても必要な場面もあるでしょう。栄養ドリンクはそういう「緊急時」にとっておいてはどうでしょうか? そのときはきっと効きますよ

まとめ買いして毎日1本飲むより、どーーーしても必要の緊急時にとっておくべし。

 

■賢人のまとめ

栄養ドリンクだからいくら飲んでも大丈夫というわけではなく、特に注意してほしいのは無水カフェインと糖分です。特に糖分は知らず知らずのうちに大量に摂取することになりかねません。栄養ドリンクを常飲して働くのは体にムチ打つのと同じこと。栄養ドリンクに頼るのは緊急時だけにしましょう。

 

 

文:宇多川久美子

 

プロフィール

薬の賢人 宇多川久美子

薬剤師、栄養学博士。(一社)国際感食協会理事長。明治薬科大学を卒業後、薬剤師として総合病院に勤務。46歳のときデューク更家の弟子に入り、ウォーキングをマスター。今は、オリジナルの「ハッピーウォーク」の主宰、栄養学と運動生理学の知識を取り入れた五感で食べる「感食」、オリジナルエクササイズ「ベジタサイズ」などを通じて薬に頼らない生き方を提案中。「食を断つことが最大の治療」と考え、ファスティング断食合宿も定期開催。著書に『薬剤師は薬を飲まない』(廣済堂出版)『それでも「コレステロール薬」を飲みますか?』(河出書房新社)など。LINEお友達限定で、絶対に知っておきたい薬のリスク情報配信中。

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