「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」は“デザイン”に携わるすべての人に刺激を与える

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三宅一生氏の約45年間にわたる仕事を振り返る展覧会「MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事」が国立新美術館で2016年6月13日まで開催されています。先日、行ってきました。約120点にも及ぶ服と映像資料で「ISSEY MIYAKE(イッセイミヤケ)」の業績をたどる試みです。本展では一般的な繊維材料はもとより、紙、プラスティック、ラフィアなど、様々なマテリアルを生地に用いた作品が展示されています。

 

二次元(平面)と三次元(立体)を自在に行き来するかのような作品も一生氏のシグネチャーと呼べるでしょう。会場にはプリーツドレス「フライング・ソーサー」も展示。床にぺたっと畳まれた状態では、薄っぺらい円盤のようですが、上から引っ張ると、アコーディオン式にプリーツが広がって服の形になる仕掛け。外国から訪れた子どもたちが目を輝かせて、畳んだり伸ばしたりを繰り返していました。私もミニワークショップでは、実際に畳んだ状態のドレスを立体的に広げる体験をして楽しみました。

 

小さく畳めてしわにならない「PLEATS PLEASE(プリーツ プリーズ)」は「発明」とすら呼べそうな革新的な手法です。本展ではプリーツ制作の工程を初公開。工場のマシーンを展示室に据え付け、実際に編み上がる様子も紹介しています。

 

展覧会を一貫して流れるのは、「一枚の布」という一生氏のコンセプト。身体と布の関係性を重視し続けた一生氏のまなざしが全体に感じられます。目先のトレンドとは別次元のタイムレスな仕事ぶりに圧倒されました。技術者がねじってプリーツを作っていく手順や、1枚の布地から切り出して作る「A-POC(エイ・ポック)」のパターンなどを惜しげもなく公開されています。「三宅デザイン事務所」という企業名からも分かる通り、衣服を「デザイン」と位置づける発想です。ファッションの枠を越えた独創のアプローチは、ファッション業界に限らず、広い意味で「デザイン」に携わるすべての人に刺激を与えてくれる展覧会だと言えるでしょう。

 

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ファッションジャーナリスト

宮田理江

ファッションジャーナリスト。最新コレクションのランウェイ分析から、リアルトレンドを落とし込んだ着こなし解説まで、「ファッションの今」を分かりやす く伝える情報を様々なメディアで発信している。ファッショ...

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