炭水化物は悪者じゃない! 長生きのために適度な量をちゃんと取ろう

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白ご飯やパンや麺類をどうしても嫌いになれない人に朗報? egal-iStock



■健康やダイエットの話で悪者扱いされることの多い炭水化物だが、少なすぎても健康に良くないことが最新の調査から報告された

 

「低糖質ダイエット」という言葉を聞いたことはあるだろうか? 「糖質」という言葉から甘い砂糖をイメージしてしまいがちだが、炭水化物を指す。つまり低糖質ダイエットは、三大栄養素の「たんぱく質」「脂肪」「炭水化物」のうち炭水化物の摂取を抑えて体重を減らすというものだ。「白いご飯を食べるのをやめたらみるみる体重が減った」という経験談を聞いたこともあるのではないだろうか。

 

健康やダイエットの話になると何かと悪者扱いされることの多い炭水化物だが、ツヤツヤの白ご飯やパンや麺類などがどうしても嫌いになれない人には朗報だ。最新の調査で、炭水化物は取り過ぎもダメだが、少な過ぎても健康に良くないことがわかったのだ。

 

 

■危険ゾーンは炭水化物が摂取カロリーの40%未満と70%以上

 

この調査は、米ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院で循環器系内科の臨床研究員であるサラ・サイドルマン博士のチームが、大規模な研究8つを分析したものだ。炭水化物の摂取量と死亡率の関係を調査するのが狙いだという。結果は医学雑誌サイト、に発表された。

 

調査チームは、「健康的な寿命に最善なのは、適度な量の炭水化物を摂取すること」だと結論付けている。摂取カロリーの40%未満または70%以上を炭水化物からまかなう場合、死亡リスクが高くなるという。

 

米国で特に人気を博した低糖質ダイエットである「アトキンスダイエット」などは、炭水化物を控える代わりに肉やチーズなどをたくさん取るものだ。しかし同じ「低糖質」にしても、たんぱく質と脂肪をアボカドや豆類、ナッツなどの植物性のものから取った場合、死亡リスクは低かったという。

 

 

■世界中の調査から43万人のデータを分析

 

によると、サイドルマン博士のチームは、1万5400人強(45〜64歳)を対象に米国で行われた25年以上にわたる観察調査を分析した。喫煙や収入や糖尿病といった、調査結果に影響しそうな要素については考慮したという。

 

さらに、世界中で行われた別の7つの調査を合わせ、合計で43万人分のデータを分析したという。その結果、摂取カロリーの半分程度という適度な量の炭水化物を摂取していた50歳の場合、余命が33年だった。これは、低糖質の食事をしていた人より4年長く、炭水化物を多く取っていた人よりも1年長かった。

 

サイドルマン博士らによると、炭水化物を極度に減らした欧米式の食事をしている人は、野菜や果物、穀物をあまり取らず、その代わりに動物性たんぱく質と脂肪を多く取る傾向にあるという。こうした動物性たんぱく質の一部は、炎症作用、老化、酸化的ストレスを引き起こすと考えられており、それが死亡率を上げる要因の1つになっている可能性があるとしている。

 

一方で炭水化物が多い食事はアジアの貧しい国に多く、白米のような精製された炭水化物を多く摂取している、と説明。このような食事だと、慢性的に血糖負荷が高い状態となり、また代謝も悪くなるという。

 

炭水化物が好きな人は、量を「適度」に抑えつつ、野菜や豆類も注意して食べるようにしてみてはいかがだろうか。

 

【参考記事】

 

文:松丸さとみ

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