盆踊りは進化して「フェス」になった! 若者もハマる「BON DANCE」の熱狂

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数年前から、若者の間で「盆踊り」が全国的な盛り上がりをみせています。盆踊りといっても、地域のお祭りで年長者が輪になって「炭鉱節」や「東京音頭」を踊るアレではありません。

 

一部の盆踊りは、往年のヒット曲やダンスナンバーにあわせて踊ったり、大勢の参加者が音楽に合わせて体を揺らしたり、というクラブのような場になっているのです。先日も、都内で行われた盆踊り大会で「BON JOVI」の曲が流れ、それに合わせて参加者が踊る様子がSNSで話題となりました。盆踊りはなぜ“進化”したのでしょうか。

 

 

■BON JOVIでBON DANCE

 

2018年8月。中野サンプラザ(東京・中野区)前の広場でBON JOVIの大ヒット曲「Livin’ On A Prayer」が突如流れました。その日行われた「中野駅前大盆踊り大会」で、同曲にあわせて多くの参加者が盆踊りを踊ったのです。

 

盆踊りは「BON DANCE」という日本文化として知られています。BON JOVIと「BON DANCE」のユニークなかけあわせ、老若男女がBON JOVIの曲を盆踊りの振り付けで踊るというおもしろさが、SNS拡散につながったようです。また、それを知ったBON JOVI側も公式Twitterアカウントで反応したため、話題はさらに広がりました。

 

上記の件、種明かしをすると、そもそものきっかけはレコード会社「ユニバーサルミュージック」が今年3月から行っている「DISCO FEVER」キャンペーンの一環として、日本盆踊り協会にアプローチしたこと。

 

「若い世代の盆踊り離れ」を肌で感じ、「若い層にもっと盆踊りをアピールしたい」と考えていた日本盆踊り協会は企画に賛同。その最初のお披露目を「中野駅前盆踊り大会」で行ったというわけです。

 

 

■EZ DO DANCE×民謡

 

中野駅前盆踊り大会で繰り広げられた「BON DISCO DANCE」の振り付けを担当したのは、日本民踊鳳蝶流の家元師範、鳳蝶美成氏。氏は大会の実行委員であり、TRFの代表曲「EZ DO DANCE」に盆踊りの振り付けをした「EZ BON DANCE」の作り手でもあります。

 

そんな、若者も楽しめる選曲と振り付けの模索こそ、「盆踊り進化」のもうひとつの理由でしょう。レコード会社と盆踊り協会のコラボで生まれた「進化形盆踊り」。今後は全国各地でさまざまな曲が盆踊りレパートリーになり、地域を盛り上げていくことでしょう。

 

とはいえ、盆踊りに往年のヒット曲を取り入れる試みは、これまで愛知県や岐阜県など中部地方を中心におこなわれてきました。特に人気の曲は、荻野目洋子さんの「ダンシングヒーロー」です。愛知県一宮市の「おりもの感謝祭一宮七夕まつり」では、盆踊りの振り付けを担当する地元団体が1990年初めごろから同曲を採用。毎年さまざまなヒット曲を取り入れながらも、同曲の人気は際立って高く、いつしか定番となったそうです。

 

今年7月に行われた第63回大会では、荻野目さん本人が現地でミニライブを開催。「ダンシングヒーロー」の生歌をBGMに盆踊りを踊るというなんとも贅沢なコラボレーションが生まれました。

 

 

■野宮真貴で踊る「渋谷の盆踊り」

 

ちなみに、東京・渋谷区内の盆踊り大会で広がり始めているのは、野宮真貴さんが歌う「夢みる渋谷YOU MAKE SHIBUYA」。作曲はカジヒデキさん、振り付けは日本舞踊の花柳糸之氏というこれまた異色のコラボです。

 

「ダンシングヒーロー」や「EZ BON DANCE」など、今後はジャンルを超えたさまざまな盆踊り定番曲が生まれることでしょう。盆踊りといえば炭坑節、だけではないのです。

 

こうした盆踊りの進化は、SNSの波及効果によるところが大きいと感じていますが、もしかすると、日本で20年超の歴史を作ってきた音楽フェスと関連があるのかもしれません。それまでライブハウスやクラブでしか聞くことのできなかった音楽を、屋外かつ大勢で聴けるようにしてくれた音楽フェス。フェスの心地よさが「盆踊り」を進化させ、世代を超えた地域の交流の場として広がっていくのかもしれません。

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アウトドアナビゲーター

渡部郁子

アウトドアナビゲーター、温泉ソムリエ。JFNラジオ「JOYFUL LIFE」ほか、山と温泉と音楽をテーマに「人生を豊かにする情報」を様々なメディアで発信中。子どもにやさ しい温泉や山、フェス情報など、子どもといっし...

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