日本よりアバウト!? 「ヨーロッパサイズ」のスーツはこう選べ

ライフスタイル

 

は日本のJIS規格でのスーツのサイズ表記を採り上げましたが、皆さんは一体どのサイズだったか確認されましたか? 今回は海外のサイズ表記体系をご紹介します。まずは「ヨーロッパサイズ」から!

 

もともとイタリアやフランスなど、ヨーロッパ大陸のスーツ・ジャケットで見られるサイズ表記がこれ。ただし近年では日本でも、例えばセレクトショップで販売されるそれらは、たとえ日本製であってもこの体系を採用するケースが相当あります。ですのでJIS規格よりこちらの方がより馴染みのある方も多いかも? またこれを知っていると、例えばゴールデンウィークや年末年始にヨーロッパに出かけた際、現地での買い物がスムーズに行くこと確実ですよ。

 

こちらの表記は実に単純! 核になる数値は着用者の「胸囲の半分」をcmを省略して示したものです。なぜ胸囲の「半分」なのか? そう思われる人も多いでしょう。理由はジャケットを作成する時の型紙は「半身」のみで作図するためで、要は作り手側の都合をそのまま活かしたものです。

 

また、その下にドロップ(Drop)なる表記が付記される場合も多く、これは着用者の「胸囲の半分」と「トラウザーズのウェストの半分」との差をcmを省略して示したもので、前回のJISサイズのYAとかABとかとの意味と同じです。更には身長についての略号も最後に記されることがあり、それぞれ、

 

・おおよそ171cm以下の方向けのC(イタリア語のCorto=英語のShortの略)

・おおよそ172cm~177cmの方向けのR(同・Regolare=英語Regularの略)

・おおよそ178cm以上の方向けのL(同・Lungo=英語のLongの略)

 

が用意されています。

 

ですので、具体的には以下のようなことを示すことになる訳です。

 

・46-8-R…胸囲92cm、ウェスト76cm、おおよそ172cm~177cmの方向け(JIS 92YA6相当)

・50-6-L…胸囲100cm、ウェスト88cm、おおよそ178cm以上の方向け(JIS 100A7相当)

 

薄々お気付きでしょうがこのサイズ体系、JISのものに比べると相当アバウト。典型的なのが身長で、5cmピッチのJISに比べ、何せ「おおよそ」です。「46」のように「胸囲の半分」しか表記されていない既製のスーツやジャケットも、結構な割合で存在します。

 

ただ、そのアバウトさは、

 

「より体型に厳密にフィットしたスーツが欲しいならオーダーで」

 

的な、既製服とオーダーメイドの役割分担と言うか線引きが、西欧では依然しっかりなされている何よりもの証拠なのかもしれません。また、

 

「最終的にどんな数値で作り上げるかは、ブランドや作り手側の感覚に委ねる」

「最終的にどのサイズを選ぶかも、着用者の感覚に委ねる」

 

的な、個人主義の強いヨーロッパの土地柄も反映されている気がしてなりません。「規格」以上に各ブランドやメーカーが持つ「理想の体型」を尊重しているのと共に、同じ「胸囲・ウェスト・身長」の人でも脚の長さや腕の長さが異なると選ぶサイズが必然的に変わり得るので、実運用上もこの程度の緩い体系で十分であることも確かですから。

 

実はもう一つご紹介したい海外のサイズ表記体系があるのですが、それは次回に!

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服飾ジャーナリスト

飯野高広

1967年東京生まれ。大学卒業後、扱う商品も社風も非常にカタい某大手メーカーに11年あまり勤務し、2002年にファッションジャーナリストとして独立。執筆分野は紳士靴をメインにスーツなどの重衣料やシャツ、傘、バッ...

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