【サヨナラ平成】新語・流行語で振り返る30年「1996年編」~平成の歌姫が生み出した「アムラー」という社会現象~

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出典「」より

平成時代を当時の新語・流行語で振り返るコラムをお届けします。今回は「1996年(平成8年)」編です。

 

同年開催のアトランタ五輪・女子マラソンでは、有森裕子選手が2大会連続でメダルを獲得。「初めて自分で自分を褒めたいと思います」という言葉が話題になりました。いっぽう国内では 、大腸菌大腸菌「O157」による食中毒が全国に拡大しました。

 

 

■【アムラー】平成にあふれる様々な「○○ラー」いくつ覚えてますか?

            

2018年9月18日に、惜しまれつつ芸能界を引退した歌手・安室奈美恵さん。1977年生まれの彼女は1995年にソロデビュー。96年に立て続けにミリオンセラーを記録したことで、人気を確固たるものにしました。

 

当時話題になったのは、彼女のファッションスタイルを真似る「アムラー」たち。厚底ブーツ、ミニスカ、茶髪、ガングロ、細眉などが大きな特徴で、当時、渋谷を中心に流行していたコギャル文化とも親和性が高いスタイルでした。

 

ところでみなさんは、アムラーという呼称に“元ネタ”が存在したことを覚えているでしょうか? 実は“シャネル好き”を意味する「シャネラー」の方が先輩だったのです。しかしラーの本格的流行はアムラー以降のこと。篠原ともえの「シノラー」、華原朋美の「カハラー」、珍しい所では市原悦子の「エツラー」に至るまで、様々なラーが登場したものです。

 

ちなみに現代用語の基礎知識・97年版は、安室奈美恵さんをこう評しています。「長年下積みを経験したせいか、10代とは思えない徹底したプロ意識と借り物でない存在感がカリスマ性を生んでいる」。ここに登場する「カリスマ」という言葉も90年代後半を象徴するキーワードとなっていきます。

 

 

■【コギャル語】今も「チョベリバ」は、懐かしの言葉の代表格

 

1993年頃から徐々に存在感を示し始めたコギャル文化。96年ごろには“流行語の発信基地”としても注目されました。コギャル語の代表格とも言えるのが「チョベリバ」。これは“超ベリーバッド”を略した言葉です。反対語は「チョベリグ」。超ベリーバッドかつ超ベリーブルーな状態は「チョバチョブ」とも言いました。ちなみに感情表現は若者語の定番ジャンル。2010年代には「激おこぷんぷん丸」などの表現も登場しましたよね。

 

以下コギャルが発信したと思われる言葉を列挙します。「ホワイトキック」はしらけること。「ガンブ」は顔面不細工。「イノヘッド」は井の頭線。「ウーロン茶」はうざいロン毛の茶髪。「MM」はマジむかつくの略。「MK5」はマジで切れる5秒前のことです。97年に広末涼子が「MajiでKoiする5秒前」という曲を出していますが、これはMK5のパロディーでした。

 

この種の言葉の多くが死語化するなか、俗語として残った言葉や、辞書に載るほど定着した言葉もあります。俗語の代表は徹夜を意味する「オール」、路上でのキスを意味する「路チュー」など。また辞書に載った言葉の中には、広辞苑が2008年発行の第6版で掲載した「イケメン」があります。

 

 

※ほかにもこんな新語が……

新語・流行語:ピッチ(PHS、サービス開始は95年)、プリクラ(プリント倶楽部の稼働開始は95年)、メークドラマ(巨人の活躍を指して)、オヤジ狩り

 

商品・サービス・コンテンツ:エアマックス(ナイキのスニーカー)、たまごっち、猿岩石(お笑いコンビ、TV番組のヒッチハイク企画で人気に)、新世紀エヴァンゲリオン(アニメ、本放送は95年~96年)、ペプシマン(ペプシコーラのCMに登場したキャラ)

 

 

■【まとめ】「歌姫の引退」から「平成の終わり」を感じた人々

 

俗に「平成の歌姫」と呼ばれた女性歌手は何人かいますが、安室奈美恵さんは間違いなくその代表格でしょう。結婚・出産・離婚・育児を経験しながら芸能の最前線で活躍し続けた彼女の姿に、共感を覚えたファンも少なくないと思います。そんな安室さんが「平成最後の夏」に引退したことを受け、ネットでは「平成の終わり」を実感する書き込みが相次ぎました。安室さんは、社会に「時代」を実感させるほどのカリスマでした。

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新語ウォッチャー

もり・ひろし

1968年生まれ。電気通信大学卒。CSK総合研究所(現CRI・ミドルウェア)を経て、新語・流行語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・ウェブサイトなどでの執筆活動を行う。代表的連載に日経ビジネスオンライン(日経BP...

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