死ぬまで脳は成長させられる!? 脳内科医が教える健康な脳の作り方

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『50歳を超えても脳が若返る生き方』(加藤俊徳/講談社)

 

人生100年時代ともいわれる昨今だが、あなたは長生きしたいだろうか? 私は40代に突入してから、容姿や体力といったフィジカルなことはもちろん、頭の回転や記憶力もかなりの勢いで衰えつつある。人生を100年とすれば折り返し地点もまだだというのに、こんな状態であと半分以上もあるのか、と少々憂鬱に感じる。老化を実感するようになってからの方が長いなんて、人生はなんと過酷なのだろう。

 

でも実は、工夫しだいで人は死ぬまで脳を成長させることができる。それを教えてくれるのが本書(加藤俊徳/講談社)だ。著者の加藤氏は脳内科医で、これまで1万人以上の脳のMRI画像を使って分析し、診断・治療してきた脳のスペシャリストである。

 

加藤氏のこれまでの経験から出た結論は、以下の3点。

 

1.脳には個性がある
2.脳の形は日々変化する
3.脳は使えば使うほど成長する

 

脳は100歳を過ぎても成長させることができるし、自分でいくらでも変えられるというのだ。そして、年齢や成長の段階によって、発達する箇所が移り変わるのだそう。

 

例えば、実行力や判断力を司る「超前頭野」は、40代以降に旬を迎える。この部分が発達すると、人生の経験をもとに深く理解して考える力や、人と接することで培ってきたコミュニケーション力を活かすことができるようになるという。中年期以降でもこれからピークを迎える能力があるなんて、なんだか勇気づけられる話ではないか。

 

だが、だからといって何もしなくてよいということではない。50歳を超えたら、意図的に脳を元気にしてあげなければ老けこんでしまう。著者によれば、成長している脳こそが健康な脳だという。それには、欲望や欲求を持つことが大事であるとのこと。というのも、欲求とは、別の言い方をすれば「前向きな気持ち」であるからだ。

 

実際、「あれが欲しい」「旅行に行きたい」「あの人のようになりたい」と強く感じた時に、脳はフル回転して情報を集める。そして体を動かし、欲求を叶える準備を始める。これは脳が成長を始める証しだそうだ。

 

では、具体的にはどうすればいいのか。まずは紙と鉛筆を用意して、欲しいものや、やりたいことなど、自分の欲求を思いつく限り箇条書きにしてみよう。10個以上スラスラ書けたならかなりの欲張りで問題なし、もし3個以下だったら、欲求が完全に欠乏しているので、脳のためにもいますぐ改善が必要だ。適度な欲求を持つことで、50歳以降の生活は劇的に変わるのだという。

 

もし欲求が3個以下でも落ち込まないでほしい。本書には、脳を元気にする日常でできるアドバイスがたくさん載っている。また、感情系や記憶系など、脳の機能別のトレーニング方法なども紹介されている。こちらも「一つの食材で三つメニューを考える」「一日五分、思い出のものを眺める」など、簡単にできるものばかりだ。

 

本書は、理論や実例と脳を元気にするためのアドバイスがバランスよく掲載されており、すんなり納得できた。脳疲労を解消する休日の過ごし方や、時間を意識すると脳が活性化する、など参考にしたいことが多い。最近、脳の衰えを感じているなら、読んでみてはいかがだろうか。

 

文:高橋輝実

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