いまやエコの代名詞? 燃費が悪かったはずのターボ車が世界中で人気の理由

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Q:なぜ最近、ターボ車が増えてきているんでしょうか。昔はターボとかスーパーチャージャーとかは燃費の悪いクルマの代名詞のように言われてた気がするのですが、最近はエコなモデルにもついてますよね?(神奈川県39歳男性)

 

A:おっしゃるとおり、最近では直噴ターボだらけになりましたが、昔と今ではターボやスーパーチャージャーなどの過給機を使う理由が大きく変わりました。ただし、限られた排気量の中でできるだけ大きなパワーを引き出したいという根の部分の理由は同じです。

 

日本のターボの歴史は1979年、430型セドリック/グロリアから幕を開けました。このとき、「あまりアクセルを踏まなくても、ちゃんと加速するから燃費がよくなる」という理由で当時の運輸省を納得させたそうです。実際にはパワーを引き上げるためだったことには違いなく、燃費の話は方便だったわけですが、その未知なる加速感は、走りを求める層を大いに魅了しました。その後、80年代にバブル景気を迎えると、クルマもパワフルなほうが偉いという価値観から、ターボ装着車が急増します。スーパーチャージャー装着車も少数ながら存在しました。

 

燃費については、同じエンジンで、自然吸気とターボ付きだと、もちろんパワーは段違いですが、そのぶん燃費もかなり悪かったのは事実です。パワーを出すために燃料をたくさん燃やしているのですから、燃費は悪くて当然です。

 

ただ、当時はガソリン価格があまり高くなかったこともあり、今よりも燃費を気にする人はずっと少なかったわけですが、実際の話、燃費はよくありませんでした。しかも、そうした加速を求める人ほど過給機の付いたクルマを買って、どこでも踏みまくっていたので、ただでさえ燃費が悪いところ、さらに実走燃費は悪化する傾向にあったともいえます。そんなこんなでターボやスーパーチャージャーは燃費が悪いというイメージが定着しました。

 

ところが、時代が変われば価値観も変わるもの。

 

やがて2000年代半ばになると、VWが先鞭をつけたダウンサイジングコンセプトが世の中を一変させました。排気量の小さなエンジンに過給機を付けることで、排気量が大きなエンジンと同等かそれ以上の性能を効率的に引き出すという考え方です。

 

前のほうで述べた、ターボを付けることで燃費がよくなるというのは、一定の条件下では事実です。低負荷時には排気量が小さいほうが燃費がよいことには違いなく、モード燃費の計測において有利なことから、各社が続々と採用するにいたりました。

 

日本はエコカーというとハイブリッドカーが主体で、ダウンサイジングについてはやや立ち遅れた感がありましたが、このところ各社は続々と市場に投入しています。

 

ダウンサイジングはあくまで「考え方」であって、実際に燃費がいいかどうかは走り方によるところが大きいわけですが、とにかく今では、燃費のために過給機が用いられるようになったわけです。

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モータージャーナリスト

岡本 幸一郎

1968年5月、富山県生まれ。 学習院大学を卒業後、自動車情報ビデオマガジンの制作、自動車専門誌の記者を経てフリーランスのモータージャーナリストとして独立。 カテゴリーを問わず幅広く市販車の最新事情を網羅す...

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