【ターニャの映画愛でロードSHOW!!】『もののけ姫』エボシは死ぬはずだった⁉︎ 彼女が生き残ったワケとは

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■秋のファンタジー祭り、第一弾は「秋のジブリ」!

 

こんにちはー、「金曜ロードSHOW!」プロデューサーのターニャです~☆ しばらくご無沙汰してしまいました……。

 

今週から「秋のファンタジー祭り」と称した豪華なお祭りが開幕、その第一弾として「秋のジブリ」、10月26日(金)の第一夜『もののけ姫』からスタートします!! 翌週は『紅の豚』、二週続けて宮崎駿監督の名作をお届けします。

 

今回は、改めて『もののけ姫』を観て私が感じた「凄さ」について、お話ししたいと思います。「やや難しい」と感じる方も多い『もののけ姫』の魅力を再発見していただく機会になれば嬉しいです。

 

 

 

■『もののけ姫』の時代設定はいつ? そして宮崎監督が作品に込めた想いとは……!?

 

『もののけ姫』は日本を舞台にした“時代劇”です。制作にあたり宮崎駿監督が注目したのは、室町時代。その理由について、次のようにインタビューで答えています。

 

……鎌倉時代は、人が主義・主張で生きていた。もっと壮絶な人々が生きていた時代です。それが室町時代になると、得なほう、都合のいいほうにつこうということで動くようになる(笑)。

 

そういう意味で、室町というのは、ちょっとおもしろい時代だなと思ったもんですから。それに、女たちが自由でかっこいいんです。

 

……確かに作中に登場する、気丈でタフな、肝っ玉の座ったタタラ場の女性たちはかっこよく、とても印象的ですよね。私が大好きなポイントの一つです。

 

 

ただ、いわゆる従来の時代劇ではなく、歴史の表舞台には登場しない人々や、風土の歴史、生身の人間の生活と世の習いなどが生き生きと描かれています。監督によると、最近の歴史学や民俗学などによって、「一般に流布しているイメージより、この国はずっと豊かで多様な歴史を持っていた事がわかっている」といいます。


監督が『もののけ姫』で作ろうと思ったのは、「自分が思い浮かべている日本というもの」だったのですね。その世界観が本当に魅力的であることが、これほどまでに長く愛され続けるようになった大きな理由のひとつなのだと思います。

 

 

■魅力にあふれたキャラクターたちがあふれた「大感謝祭」、音楽のすばらしさ

 

私が今回改めて鑑賞して再発見したのが、圧倒的な魅力を放つ『もののけ姫』キャラクターたちの多様さと、全編を彩る音楽のすばらしさです。

 

私のお気に入りキャラクターから今回あえて1人だけ理由をご紹介しますね。まずは何といってもエボシ御前です。女性たちや病気の人々など弱いものに優しく、肉体的にも精神的にも強いということ、さらに美しさも兼ね備えたところが私は大好きです。でも、実は制作段階では死んでしまうかもしれなかったのだとか! 宮崎監督にとってもお気に入りのキャラクターだったということで、長い議論ののち最終的には「やっぱり殺せないよ、エボシは……」という結論になったのだそう。よかったです……。

 

 

もう一つ、今回音楽にも注目してご覧いただきたいと思います。改めて鑑賞し、冒頭シーンからラストまで、音楽だけでも激動の展開を連想させるのはもちろん、鑑賞者の想像力を掻き立てるような構成と展開力に、私は文字通り圧倒されました。少なくとも10回以上鑑賞している私ですが、やはりこうした大傑作というのは、観るたびに発見がある、と思わされたのでした。

 


■監督の熱い想いを受け止めて……!!

 

では、宮崎監督が室町時代を舞台に、魅力にあふれた キャラクター達を通じて描こうとした想いはどのようなものだったのでしょうか? 人間と自然の共存、という本作の大きなテーマについて、作品の後半で、主人公のアシタカとサンが語る重要なシーンがそのヒントをくれるかもしれません。監督は次のように語っています。

 

(『アシタカは好きだ。でも人間を許すことはできない』という)サンの最後の言葉は、答えが出せないままにアシタカに刺さったトゲなんです。そしてアシタカはそのトゲとも一緒に生きていこうと思っている。

 

あの後、アシタカはタタラ場に住んで、サンは森に住むんでしょう。タタラ場の理屈から言うと、生きていくためには木を切らなければならない。

 

だけど、サンは切るなっていうでしょ。その度に突っつかれて生きていくんだな。アシタカは大変だなと思って(笑)

 

でも、それはまさにこれから生きていく人類の姿そのものなんですよ。

 

人間が快適に生きていくためには、自然を開拓することが必要です。それは、現代だけの話ではなく、古代文明から人類がずっと抱えてきた命題です。必然的に人間と自然は対立せざるを得ないようにも思えます。監督自身、「人間がつつましく生きていること自体、自然を破壊しているんだという認識に立つと、どうしていいかわからなくなる」と語っています。そして、「荒ぶる神々と人間との戦いにハッピーエンドはあり得ない」とも。

 

それでも、宮崎監督は、このようにも述べているのです。「……憎悪と殺戮のさ中にあっても、生きるにあたいする事はある。素晴らしい出会いや美しいものは存在し得る」と。


『もののけ姫』は、日本だけでなく、世界中の人々の心をも動かしました。監督が魂を込めて提示したこの想いが届き、多くの人々の心に響いたからこそ、公開から20年以上がたった今も、この作品は愛され続けるのでしょう。

 

それでは皆さま、心に残る忘れられない映画体験を☆

 


■放送スケジュール

「秋のファンタジー祭り」第一弾「秋のジブリ」

10月26日 よる9時『もののけ姫』
11月2日   よる9時『紅の豚』

 

 

 

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日テレ『金曜ロードSHOW!』プロデューサー

ターニャ

日本テレビ系『金曜ロードSHOW!』プロデューサー。報道局・社会部やカイロ支局勤務を経て、現在は編成局編成部で映画番組の編成を担当。火曜午前1:59~の『映画天国』(関東ローカル番組)のプロデューサー...

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