【おとなの栄養学】米マクドナルドが添加物使用をやめる!? やはり無添加こそが「ヘルシー」なのか?

ヘルス・ビューティー

平井 千里

 

 

「添加物」と言うくらいだから、使わないで商品ができるのであれば、それに越したことはないだろう、実際、自宅でハンバーガー(サンドイッチ)などを作るとき人工の食品添加物なんて入れないわけだし……、そう感じる人も少なくないでしょう。ですが実際には、食品添加物は私たちの生活を豊かにするために必要不可欠なものなのです。

 

 

■食品添加物は全部「よくない」のか?

 

例えば、健康を気にする人たちに大人気の「豆腐」。ご存知の通り、大豆をすりつぶして豆乳を絞り、搾った豆乳に「にがり」という添加物を加えて固めたものです。日本人が大好きなラーメンを作るのにも、「かんすい」という添加物を使います。食品添加物を使わなければ、ラーメンは食べられないのです。

 

他にも食品添加物を使う理由はいろいろあり、大きく分けると4つあります。

 

  1. 食品を作るときに必ず必要 → ラーメンの「かんすい」、豆腐の「にがり」など
  2. 食品の風味や外観をよくする → 香料、甘味料、着色料など
  3. 食品の保存性を高める → 保存料、酸化防止剤など
  4. 食品の栄養強化 → 栄養強化剤など

 

いかがでしょうか? どの理由をとっても、「食品添加物」は生活を豊かにするための知恵から生まれたことがうかがい知れると思います。

 

 

■香料や着色料は必要ないのでは?

 

知恵なのは分かったけど、香料や着色料はいらないんじゃないの? そう思う人もいるかもしれません。

 

それぞれの食品には天然の香りがあり色があります。その香りや色があるのだから後から追加する必要はないように感じます。しかし香りや色が残っているのは、調理後すぐに食べることができる家庭料理。工場で調理したものが流通経路に乗って各家庭に届く間に、香りや色が劣化してしまうものも少なくないのです。食品としての機能は問題なくても、香りや色がよくないと食欲が沸きません。そのため、自然に近い色が保てるように、香料や着色料を使用するのです。

 

他にも、保存料や酸化防止剤も同様で、工場から食卓に届くまでの間に食品が劣化するのを防ぐために知恵として使用しているのです。

 

もちろん、人工的な食品添加物も多いため、人体への影響はしっかり確認されています。まず、実験用のラットに食品添加物として使いたい物質を大量に食べさせて、どの量までなら健康被害が出ないかを検討します。その後、ラットと人間の体重の違い等を考慮して、人間ならこのくらいまでは食べても大丈夫であろうという量を計算します。

 

さらに、その100分の1とか、1000分の1など、その添加物ごとに「安全率」を見込んで、ヒトが一生食べ続けても健康被害が起こらないであろう量を計算します。さらにその添加物を利用した食品を食べるであろう量を考慮して、その食品にどのくらいの量までなら添加してよいかを検討します。

 

そして、その量を添加すれば期待した効果(保存料なら保存性が高まる)が得られるのかどうかを検討した上で、実際に添加物として利用許可が下りるのです。

 

 

■「人工の添加物」を使うことにもメリットがある?

 

ここまで手順を読んできて、混乱してしまった人もいるかもしれませんが、そのくらい手間をかけて安全性の確認をしていることが分かれば大丈夫。添加物が使われていても安心して召し上がってください。

 

最後に、天然の添加物があるのに、人工の添加物を使うメリットは何? ということも触れておきます。天然の添加物よりも人工の添加物のほうが純度が高いせいか、効果が高いのです。人工添加物であれば100人分にほんの1滴落とすだけで効果が出るものもあります。天然の添加物ではそこまでの効果がなく、添加量が多くなってしまうことから、味や香りに影響を与えてしまうことがあるため、人工添加物を選ぶことがあるのです。

 

もちろん、各業者は消費者が「無添加」を好むことは承知していますので、添加物の量は極力減らそうと努力しています。

 

それでも添加物を使っているということは、無添加以上のメリットがあるということ。この点だけは、頭の片隅に覚えておくとよいと思います。

 

参考:

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平井 千里

女子栄養大学大学院(博士課程)修了。名古屋女子大学 助手、一宮女子短期大学 専任講師を経て大学院へ進学。「メタボリックシンドロームと遺伝子多型」について研究。博士課程終了後、介護療養型病院を経て、現職で...

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