人口が増加するスイスで問題の「50歳失業者」

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citrus 松田扶美

 

スイスの人口が、また増加した。2年ほど前、800万人になったとびっくりしたものだが、昨年830万人にもなったようだ。24%、大体4分の1の人口が外国人で国内に定着していると発表があった。移民系の人口の平均年齢がスイス人平均年齢よりも7歳若い。ちょっとしか聞けなかったので、詳しくはわからないが、つまり、Demographieのカーブに7歳の差があるということだと思う。

 

政府は、そのことを希望と解釈している。高齢者を支えてくれる層があり、さらに技術を引き継いでくれる次の時代があるということになるからだ。

 

また政府は、定期的に各州の企業や労働組合を招き、早くから、将来予期される問題を会話する機会を持ってきた。今年の会合では、両者数年このまま大きな問題がないようだということだ。しかし、特殊な企業は不景気で、解雇問題がありそうだ。

 

一番の問題は、50歳で職を失う者の苦悩だ。ある50歳の失業者の実話が語られていて、その問題は深刻だ。何度再就職を申し込んでも希望がない。若い従業員が安上がりだからだ。彼はカナダに移住する申し込みをしたが、それも希望は薄い。結局、自分の経験を生かし、アジアの他国で企業を立ち上げることにしたようだ。

 

私の知り合いには、定年の数年前に、良い条件で退職する人が多い。退職後の生活計画は、さまざまである。たとえば、私と同じ時期に移民としてきたセルビア人の労働者や女性達が、老後に帰国せず、スイスで暮らすための世話係として、若いセルビア人が助けることになり、少なくとも彼らはセルビア語で話せる境遇にある。

 

ドイツの話だが、つい数日前、政府が厚生年金を5%値上がりさせると発表した。しかしその内情は、70歳まで労働とか、若者と老人の公平性がまた大きな問題として議論になっているようだ。

 

スイスは、今のところ私の年金も変わりなく支払われていて、病気はすべて保険が支払ってくれる。このままでいてほしいものだ。 

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松田扶美

チューリッヒ(ドイツ語圏スイス)在住41年。 現代創作舞踊家。国際振り付けコンクール入賞・チューリッヒダンス文化賞受賞。 2003年、スイス・ダンサー・振り付け賞(スイス現代舞踊協会、プロダンス)生涯賞として受賞。 チューリッヒ芸術大学(ZHdK)演劇学部教授退官。現在年金生活者。 著書に、 『片道だけのパスポート スイスの36年』 (北海道出版企画センター 2009年) があります。

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