米倉涼子の「大門未知子」VS吉田羊の「レディ・ダ・ヴィンチ」、秋ドラマはアラフォー女優バトルが面白い

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出典:『ドクターX ~外科医・大門未知子~』公式サイトより

夏の低迷が嘘のように、各局が本気を出してきた秋ドラマ。相変わらず女性を主役に据えた作品が目立つ中、特に注目を集めるのが“アラフォー女優たちのバトル”だ。

 

中でも大病院を舞台に、女医が主人公でほぼ一話完結という同構成で進む『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系列)と『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』(フジテレビ系列)の二作は、主演の米倉涼子と吉田羊の話題性も相まってオンエア前からヒートアップ状態。さて、現時点での軍配はどちらに?

 

結論から言ってしまうと米倉涼子主演「大門未知子」の圧倒的な貫録勝ち。初回視聴率は20.4%で民放最高値を叩きだし、物語はロケで撮影したN.Yのシーンからスタート。過去シリーズのレギュラー、内田有紀、岸部一徳、勝村政信、西田敏行らに加え、吉田鋼太郎、生瀬勝久、滝藤賢一、泉ピン子といったベテラン勢を新たに迎え入れ、脇の強さも盤石だ。

 

かわって吉田羊が民放連ドラで初主演を務める「レディ・ダ・ヴィンチ」。初回視聴率は平均8.8%で二ケタに及ばず。吉田演じる脳神経外科医・橘志帆を取り巻くのは、高橋克典、戸次重幸、伊藤蘭、相武沙季、吉岡里帆といった面々。「大門未知子」に登場する個性派俳優たちと比べると、少々薄味なのは否めない。

 

 

■大門未知子、テンプレートは「水戸黄門」?

 

ここでちょっと「大門未知子」の強さについて考えてみたい。「大門未知子」のストーリー展開、実は簡単にテンプレ化できる。

1.大門が偶然出会った人物が病院に運び込まれる

2.手術をしたがる大門とそれを止めようとする周囲との攻防

3.困難な手術を短時間で成功させる大門。決め台詞は「私、失敗しないので」

4.大門とそのマネージャー・晶とのお遊びシーン+小オチ

 

「大門未知子」は、毎回ほぼこのテンプレ通りに物語が進むのだが、水戸黄門的とも言えるお約束な展開に、レギュラー陣のお遊び感満載の演技、ゲスト患者の意外な過去、大門自身の卓越したキャラクター(しいたけとカルビの区別が付かない、小銭にはうるさいが大金には無頓着、医師とは思えないキレっキレのファッション、普段とメスを握った時の落差)等が最高のバランスで調合され、視聴者は“最終的に患者は死なない”という安心感のもと、画面の中で進む、ある種漫画的とも言えるストーリーを楽しめるのだ。

 

 

■謎を読み解く「レディ・ダ・ヴィンチ」

 

対する「ダ・ヴィンチ」のキモは一話完結の構成と並行して描かれる主人公の謎のトラウマ。手術のさなか、雨が降りしきる事故現場にたたずむという幻覚を見た吉田演じる橘は、メスを捨て、患者の謎の病名を解き明かす解析診断部の医師となる。果たして彼女が経験した“過去”とは。そして時に不思議なシチュエーションで登場する“娘”は本当に存在しているのか。

 

ちなみに「ダ・ヴィンチ」を製作しているカンテレ(フジテレビ系列)は、これまで火曜22時の枠で『ナオミとカナコ』『僕のヤバイ妻』等のぶっ飛んだドラマを送り出し、30代~40代の女性たちから熱い支持を得た局。「ダ・ヴィンチ」でも1話で橘が「私、手術しないので」と言った時に、あえて「大門未知子」ネタをガンガン入れ込んで来るかとも思ったのだが、それ以来その気配はなし。

 

負け知らずの最強キャラと出会った米倉涼子と、器用であるがゆえに、無難にまとまってしまった感がある吉田羊。このまま米倉が独走態勢を貫くのか、それとも小劇場での下積みを経て、プライムタイムの主演にまでのぼりつめた吉田が意地を見せるのか。

 

と言いつつ、個人的に一番の楽しみが「大門未知子」に出演するオッサン俳優たちの東VS西の小ネタ合戦&変化球演技であることはちょっとした秘密である。吉田鋼太郎と生瀬勝久の御意合戦……ああ、もっと欲しい!

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小姑系エンタメライター

上村由紀子

エンタメ系ライター(主にドラマ・演劇)&ラジオDJ、MC。横浜市出身。スタジオでマイクを操りつつ「ジャニーズから歌舞伎まで」をキャッチフレーズに、雑誌・Web媒体等で執筆中(桐朋学園大学演劇科卒)。巻き髪歴2...

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