お笑いに求められる「全裸のセンス」

エンタメ

 

によると、

 

放送倫理・番組向上委員会(BPO)の青少年委員会は10月26日、お笑い芸人が体を張ったクイズバトルに挑戦した10月9日夜放送のTBS系バラエティ番組『オール芸人お笑い謝肉祭’16秋』について、25日付けで審議入りしたことを明らかにした

 

らしい。問題となったのは、お笑い芸人が入浴中にさまざまなトラップにかかりながら大声を我慢する「大声厳禁 サイレント風呂」と、クイズに解答するために滑る坂を駆け上がる「心臓破りのぬるぬる坂クイズ」のコーナー。

 

委員会によると、

 

視聴者から「男性が男性の股間を無理やり触る行為などがあった。内容が下品。子どもに説明ができないような番組はやめてほしい」「浜辺で芸人がローション階段を全裸や下半身露出で滑り落ちるシーンが放送された。“裸になれば笑いが取れる”という低俗な発想が許しがたい」などの意見が寄せられた

 

のだという。委員会側は「これまで何回も指摘していることが理解されていない。どのような経緯で放送に至ったのかなどを確認したい」と、文面から判断するに、けっこうな“おかんむり状態”であるようで、TBS広報も「審議入りを重く受け止めて、今後の審議に真摯に協力してまいります」とのコメントを発表している。

 

……と、まあ「お下劣」を前面に押し出したお笑い番組が、こうやって倫理的な面からインネンをつけられるさまは、別段今にはじまった話でもなく、おそらくこの番組で下半身を晒したお笑い芸人たちも、一応“殊勝っぽい”態度を示しているTBS側も、内心ではさして気にも留めていないハズ?……だろう。

 

BPOに詰められようと、PTAが騒ぎ立てようと関係ない。「お笑い」であるかぎり、要は面白ければそれでいい……というのが私個人の意見である。だとすれば、むしろ論点とすべきなのは、その全裸やポロリが面白かったかどうか、つまり「露出の必然性」の是非だと私は考える。

 

たまたま私は、この「心臓破りのぬるぬる坂クイズ」のコーナーをリアルタイムで観ていて、芸人たちがローションでぬるぬるになりながら次々と下半身がさらけ出される“失態”を前に、総合司会役の石橋貴明は「日本のテレビはまだ大丈夫です!」みたいな声をあげながら爆笑していたのだけれど、私は正直あんまり面白くなかった。全裸やポロリの仕方が二番煎じというか、『お笑いウルトラクイズ』でたけし軍団やダチョウ倶楽部が見せた、かつてのソレの焼き直しとしか思えなかったのだ。

 

言うまでもなく、地上波において「股間露出」は最終兵器とも呼べる“飛び道具”。しかし、飛び道具はあくまで「まさか!?」のタイミングで使用しなければ意味はない。「またか…」だと威力は半減なのである。

 

たとえば、ダチョウ倶楽部のように「またか…」の予定調和を上手に使う芸風もたしかになくはない。が、予定調和の安易な二番煎じには、ただイタさだけしかただよわない。忘年会の二次会のカラオケで毎年かならず脱ぐ“風物詩男”と、その勢いにかまけて脱ぐ“便乗男”との差は歴然であって、二番目以降に脱ぐ男は「全裸のセンス」を最大限に問われてしまうのが宿命だ。

 

当然、私みたいな凡夫には「必然性に富んだハイセンスな全裸」など、もはや発想すら及びつかない。だったら脱がないほうがマシ。面白くもない男の全裸やポロリなんて、本来は誰も見たくはないのだから……。

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ネットニュースパトローラー

山田ゴメス

1962年大阪府生まれ B型。 ネットニュースパトローラー(※citrus限定肩書き。たまにスポーツ新聞や週刊誌も。略して「NNP」)。 関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッショ...

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