タイヤ1本が1280円で買える時代に!

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補修用タイヤが大混乱している。例えばイエローハットに行くと、見たことも聞いたことも無いブランドばかり並ぶ。『PRACTIVA』に『ECOFINE』、『OVERTAKE』や『MOBISYS』といった具合。けっこう前から出回り始めていたので、詳しいヒトからすれば「今更かよ」と思うかもしれないですが。ちなみにこういった銘柄、驚くべきことにラベリング表示まである!

 

つまりキチンとしたタイヤだということ。アジア&中華タイヤでなく、日本のタイヤなのだ。『ECOFINE』という銘柄はダンロップが生産し、イエローハットで販売しているし『MOBISYS』もトーヨーで作っている。ヨコハマで生産する『PRACTIVA』という銘柄も出回っている。数年前から大量の格安タイヤが流通し始めたため、そいつと戦うべくラインアップさせたのだ。

 

内容は基本的に旧商品。自銘柄で販売すると価格崩壊の原因になってしまうから、イエローハットやオートバックスといったカー用品店のプライベートブランドとして出すという寸法。したがって最新型のタイヤと比べ若干性能的に劣るけれど、アジア&中華タイヤは日本のタイヤの型落ちと同じ技術を使っているから性能同等。品質や安心感で勝る。

 

当然ながら韓国のタイヤメーカーだって黙っていない。ハンコックも自社銘柄を安売りすることを嫌い『KINERGY』や『ZETRO』という銘柄で安売り商戦に切り込んできている。こいつに安売りの本流であるアジア&中華タイヤが混ざってくるのだから大騒ぎだ。格安タイヤギョウカイは、もはや何だか解らない状況に突入してしまった。

 

結果、激しい値崩れが起きている。195/65R15というプリウスやミニバンに使われる最もポピュラーなサイズのタイヤの価格を調べたら、最安値で1本1280円! 『FIREMAX』という中華タイヤなのだけれど、通販で買ったら送料の方が高いほど。さすがに買う気になれないものの、ピレリの『P1』という銘柄なら3380円。F1タイヤを作っているメーカーだ。

 

参考までに書いておくと、プリウス用の最高級ECOタイヤである『ブルーアース1EF20』(転がり抵抗AAAのウエットグリップa)は1本1万3800円。決して高くないけれど、今やタイヤは激しい値崩れを起こしてしまったため、割高感すら出てしまった。性能をキッチリ比べれば明確に出るのだろうけれど、もはやメディアもタイヤの性能テストはやらない。

 

結果的にタイヤメーカーは自分の立場を危うくしてしまっている。このままだとアジア&中華タイヤの中堅クラスでソコソコ評判の良い銘柄にリプレースタイヤの主役を持って行かれそう。それでいいのかしら?

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自動車評論家

国沢光宏

1958年東京中野生まれ ベストカー編集部を卒業しフリーランスに。以後、冴えない自動車評論家稼業。ベストカー、カートップ、エンジン誌などに寄稿。ラジオやTVのコメンテーターも。WRC出場2回。2005...

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