「川の字」の卒業時期が悩ましい… 「子供の自立心」と「一人寝」って関係ある?

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日本の春は、新たな一歩を踏み出す時期ということもあり、「変化」や「進歩」を考えることが多いですよね。子育てについても同様で、新学年のスタート時期に合わせ、新しいことを始めたご家庭もあるのではないでしょうか。たとえば、お小遣い。小学校入学を機に、お小遣い導入というご家庭も多いはず。また、「一人寝」もそのひとつのようです。小学一年生になるタイミングに前後して、川の字を卒業し、一人寝に移行するケースが多いというもあるようですね。

 

3割くらいはその時期に集中するようですが、バラつきも見られ、0歳からという回答もあれば、大学生までという回答もあり、唯一の正解がないのが実情です。そのため、ネットでも議論になりがちで、

 

早く移行する派は、「そうしないと自立が進まない」

ゆっくり移行する派は、「本人の気が済むまで一緒でいいのではないか」

 

と意見が分かれることが多いようです。

 

親がその時期について悩むのは、「一人寝」と「自立」には何らかの関係がある気がするからではないでしょうか? 親の仕事である「子供の自立」が絡んでいると、「早めの方がいいのでは」と気になってしまうのだと思います。では、実際のところはどうなのでしょう? 「一人寝」と「子供の自立」は関係があるのでしょうか?

 

 

■「赤ちゃんから一人寝」が習慣化している欧米の母子たちにも苦悩が…

 

私は、外国暮らしが長く、海外の子育てをずっと見てきているのですが、欧米では基本的に赤ちゃんは生まれたときから一人寝です。もし、一人寝が自立を促進するのであれば、欧米の子供たちはみんな自立しているということになりますが、決してそんなことはありません。自立している子もいれば、そうではない子もいます。

 

むしろ、一人寝はひとつの習慣に過ぎないと考えています。

 

たしかに、一人で寝つくためには、テクニックが必要です。「ぬいぐるみを抱っこする」「右を下にして横向きになる」「とりあえず目を閉じ続ける」のような、その子なりの方法を編み出すという点では自立していると言えます。「親に寝かしてもらう」という依存がなく、自分で眠れるからです。しかし、子供の自立への工夫は無数にあって、一人寝はそのうちのひとつであり、習慣としての色味の方が濃いと思うのです。

 

添い寝から一人寝への移行が大変なのは、自立する準備ができていないからではなく、ただ、習慣を変えるのが大変だからです。肉中心の食生活を野菜中心に変えるのが大変なように、たばこやアルコールを止めるのが大変なように、子供にとって慣れ親しんだ習慣を変えるのはすんなりとはいかないのです。だから、「いつまでにできないとダメだ」のようなプレッシャーを感じる必要はないのではないでしょうか。

 

「習慣を変えるのは大変」ならば、はじめから一人寝の方がずっと楽なのではと思う方もいらっしゃるでしょう。たしかに、一人寝する子供たちは、就寝時間になると、自らベッドに入り寝てくれるので簡単です。しかも親はその時間以降は自分のことができます。一見、添い寝よりもずっとずっと楽に思えるでしょう。しかし、「はじめから一人寝派」は、赤ちゃん時代が大変なのです。添い寝だとできる「寝たままおっぱい」ができないので、夜中の授乳は、赤ちゃんをベッドから出し、ソファなどに座って行い、その後ベッドに寝かせ、お母さんは自分のベッドに戻ります。夜中に1回起きるくらいなら負担にはなりませんが、それが1~2時間おきにやってくることを考えたら、心が折れそうになりますよね。習慣を作り上げるステップでは、どのお母さんも大変な思いをしているというわけです。

 

一人寝への移行時期は、「子供の自立」という言葉がついちらついてしまいます。しかし、自立云々の話はいったん横に置き、生活習慣を変えるステップと捉えるのが適切だと思います。その方が、親子ともに変なプレッシャーを感じず、純粋に習慣を変えるプロセスに向き合えると思います。

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オランダ心理学会 認定心理士

佐藤めぐみ

子育て心理学が専門のAll About子育てガイド。オランダ在住。 育児相談室「ポジカフェ」主宰&育児コンサルタントとして、ママ向けのストレス管理、叱り方のノウハウをお伝えするため日々活動中。 著書: 「子...

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