「第二のグーグル」も夢じゃない!成功するビジネスを作る「分解」という発想法

ビジネス

酒井威津善

 

「いずれは起業したいと思っている…、でも自分なんかにはいいビジネスが思いつかない」などと諦めていませんか。実は、ニュースを騒がすようなビジネスも、それほど凄いことをやっているわけではないんです。もちろん、青色発光ダイオードなどトンデモない発明があるのも確か。しかし、ほとんどのケースは、一部の天才にしかできないような「人類初」の代物ではないのです。ほんの少し発想を変えているだけ。その方法の一つ、「分解」についてご紹介しましょう。

 

 

■あるカテゴリだけ取り出して「分解」することで身近な存在に変えた

 

分かりやすい例が、2014年12月にマザーズへ上場した「」です。2005年8月の運用開始からわずか9年での上場を果たしましたが、サービスそのものはとてもわかりやすいものです。全国の弁護士にサイトへ登録してもらい、様々な法律問題についてコラムを書いてもらう。記事はヤフーなど大手WEBメディアへ配信され、読者は自分が抱えている問題について、その弁護士に相談する。基本的な流れはこれだけ。

 

利用者側からすれば、ニュース記事によって日頃接点のない弁護士を身近に感じることができ、弁護士にとってはヤフーなど著名なサイトで名前を出せ、これ以上ない広告宣伝になる。まさに松下幸之助が言う、「売り手によし、買い手によし、世間によし」の三方よしを見事に実現しています。

 

しかし、「人類初」なことは何もないうえに、どこかで似たようなサイトを思い出された方もいるかもしれません。そう、専門家のマッチングサービスです。よくあるマッチングサービスは、人事や営業など多岐にわたる専門家を取り揃えていますが、弁護士ドットコムが違うのは、その中で「弁護士」だけに絞った点です。つまり、専門家というカテゴリを「分解」し、その中から「弁護士」だけを取り出したわけです。もちろん、上場にまで持っていくことは生半可なことではありません。実際、この弁護士ドットコムも弁護士業界からかなり反発を受けたそうです。弁護士の価値が下がってしまうと。しかし、ビジネスモデルがシンプルで、明らかに関係者にとって有益なものであれば、短期間のうちに広がっていくもの。これこそが優れたビジネスモデルの特徴です。

 

別の業界では、さらに「分解」して、成功しているケースがあります。続けてご紹介しましょう。

 

 

■人材系ビジネスでは人や時間を「分解」した成功例が

 

人材系ビジネスには大きく「人材紹介」「人材派遣」の2種類があります。法律など細かい話は抜きにして、単純にビジネス目線でいうと、1つめは人の「売り切り」。2つめは、人の「貸し出し」です(少々言葉がキツイですが、あくまでも人=商品と考えた場合です。ご容赦ください)。売ったり貸したりする商品は他にもたくさんありますが、人の場合ちょっと違う点は、ノウハウや経験、資格や知識といったそれぞれの人に備わった「スキル」があること。

 

先に上げた紹介と派遣は、人そのものを紹介したり、派遣したりするので、人にスキルが付いたままです。そこで、スキルについて「分割」が可能だと考えたビジネスモデルが登場します。今や一大市場になっている「クラウドソーシング」。代表的なのが、やです。クラウドソーシングは、従来からある1対1で業務を出していたアウトソーシングをネットによって、不特定多数の人に発注できるようにしたもの。その市場規模は1800億円に迫る勢いです。(総務省平成27年度情報通信白書)従来の派遣や紹介と違い、人そのものではなく、人から「スキルを分割」して、提供するようにしたわけです。

 

同じクラウドを使って「時間を分割」しているビジネスモデルもあります。です。クラウドワークスやランサーズがフリーランスをメインにスキル提供してもらうのに対して、ビザスクは企業に務めているビジネスマンを対象にし、彼らの空いた時間を使って、比較的規模の小さな問題解決を提供。提供者が持つ「時間」を分割し、取り出したビジネスモデルです。

 

 

■「分割」することで新しいビジネスモデルが生み出せる

 

いかがでしょうか?人材系ビジネスひとつとっても、「人とスキル」、さらに「時間」を分割することによって、様々なビジネスモデルを生み出すことができています。 

 

あなたが今事業を行っているビジネスで、分割できる部分がないか、ぜひ、探してみてください。もし先行している企業があったらチャンスです。さらに分割したり、提供方法をアレンジしたりすれば、これまでにない差別化ができ、とてつもない金鉱脈に出会うかもしれません。

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酒井威津善

さかい・いつよし。1968年大阪生まれ。フィナンシャル・ノート代表。財務コンサルタント、ビジネスモデルアナリスト。 大学卒業後、会計事務所での監査業務を経て、TIS株式会社(旧東洋情報システム 現ITホー...

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